こんにちは、PULMO編集部です。横浜市の保活シリーズの個別区記事として、今回は港北区にフォーカスします。日吉、新横浜、綱島、大倉山、菊名など、都心アクセスがよく子育て世帯の流入が続くエリアを擁する区です。
横浜市の保活全体の構造については 横浜市の保育園空き状況|18区全体を「ランク制」の視点でやさしく整理 で詳しく扱っています。この記事では、港北区に絞った最新の空き状況と、エリアごとの入りやすさの違いを見ていきます。
この記事でわかること
- 港北区の保育園の最新の空き状況(令和8年4月時点の受入可能数)
- 118施設という市内最多の施設数と、1歳枠12というギャップの正体
- 日吉駅徒歩10分圏内が市内唯一の「重点整備地域」に指定されている背景
- 日吉・綱島・大倉山・新横浜などエリアごとの傾向
- 港北区での申請窓口・スケジュール
データの出典と注意点
本記事の数値は、横浜市公式「保育所等の入所状況(令和8年4月1日時点)」と、港北福祉保健センターこども家庭支援課の公開情報を出典としています。
「空き枠」は新規入園に対して提示されている枠の数で、申込者数とは別の概念です。実際の入りやすさは、申込者数とのバランスで決まります。エリアによっても傾向が大きく異なるため、最終確認は港北区役所こども家庭支援課(電話 045‐540‐2280)でお願いします。
港北区はどんな区?保活の前提条件
港北区は、横浜市18区のなかでも特に若いファミリー層の流入が続く区です。横浜市の統計でも、これから3年間にわたって乳幼児人口が増え続けると見込まれているのは市内でも数えるほどしかなく、港北区はそのひとつです。市内で唯一、乳幼児人口が2万人を突破した時期もあるほど、子どもの数が多い区として知られてきました。
この「子どもが増え続けるエリア」という事情が、港北区の保活を理解するうえで最も重要な前提になります。市全体が少子化に向かうなかで、港北区だけは保育需要が逆に強まり続けているのです。
日吉・綱島・新横浜・大倉山——4つの中心エリア
港北区の保活を語るうえで、エリアの捉え方が決定的に重要になります。区内には大きく分けて、東急東横線沿線(日吉・綱島・大倉山・菊名・妙蓮寺)、JR横浜線・市営地下鉄沿線(新横浜・小机・新羽)、そして区中央部の高田・新吉田エリアが存在します。
同じ港北区とはいえ、日吉エリアと小机エリアでは、保育園の数も入りやすさもまったく違います。「港北区に住んでいるから入りやすい/入りにくい」と一括りにはできず、エリア単位で考えるのが現実的です。
相鉄・東急直通線開通の影響
2023年3月の相鉄・東急直通線開通により、新綱島駅が誕生しました。これにより、綱島エリアは大規模再開発の対象となり、タワーマンションや商業施設の整備が進んでいます。新綱島駅周辺は、すでに保育需要の急増が予想されているエリアです。
横浜市はこの動きに対応する形で、綱島エリア・日吉エリアでの保育所新設を継続しており、令和7年4月にも日吉本町6丁目と綱島東3丁目で新設保育所が開所しています。それでも、保育需要の伸びが整備のスピードを上回るペースで続いているのが、港北区の現状です。
港北区の保育園、最新の空き状況
港北区内には、令和8年4月1日時点で118の保育施設があり、合計約570枠が公開されています。施設数は市内18区で最多、合計枠数は神奈川区に次いで市内2位です。
「市内最多の118施設」という数字だけを聞くと、選択肢が豊富で入りやすそうに見えます。しかし実際は、施設数と入りやすさは別物です。年齢別の構成を見ると、その理由がはっきり見えてきます。
市全体と比較すると、港北区の年齢別構成にはいくつかの特徴があります。0歳枠は43枠(7.5%)と市平均(16.7%)の半分以下、1歳枠に至っては12枠(2.1%)しかありません。一方で、3〜5歳の合計は470枠と全体の8割以上を占めており、3歳児クラス以降の枠が手厚く確保されているのが港北区の構造です。
港北区の保活が「激戦」と呼ばれる理由
港北区の保活は、しばしば横浜市内でも特に厳しいと言われます。なぜそう言われるのか、3つの観点から整理します。
1歳枠12のインパクト
港北区の1歳児クラスの新規受入可能数は、118施設をすべて合算してわずか12枠です。これは、1施設あたり0.1枠という計算になります。10園に1園しか1歳児の新規枠を持っていない、と言い換えても差し支えない数字です。
市内の主要4区と比較すると、この異常さがよくわかります。
合計枠数で港北区とほぼ並ぶ神奈川区が1歳枠49を確保しているのに対し、港北区は12です。同様に施設数の多い鶴見区も1歳枠50、青葉区32、都筑区41と続くなかで、港北区だけがひと桁台に近い数字に沈んでいます。
背景にあるのは、港北区の0歳児クラスから1歳児クラスへの進級率の高さです。育休からの復職タイミングで0歳4月入園を選んだご家庭が、そのまま1歳児クラスに進級します。新規入園の1歳枠は、進級者で埋まった残りに過ぎないため、構造的にどうしても少なくなるのです。
市内唯一の「重点整備地域」と「整備が必要な地域」
横浜市は保育所不足が深刻なエリアを「重点整備地域」「整備が必要な地域」として指定し、優先的に新設整備を進めています。港北区は、市内で唯一「重点整備地域」を抱える区です。
具体的な指定エリアは次のとおりです。
- 重点整備地域:日吉駅から徒歩10分以内(箕輪町1〜3丁目、日吉本町1丁目、日吉1〜4丁目)
- 整備が必要な地域:綱島東1〜6丁目、日吉本町2〜5丁目
これらのエリアは、子育て世帯の流入が続く一方で、保育所の整備が需要に追いついていない区域として継続的に指定されています。新設園の優先候補地となっているため、今後数年で保育所の選択肢が拡大していく可能性が高いエリアでもあります。
保留児童数の経年変化
港北区は長らく、横浜市内で保留児童数が最も多い区のひとつでした。2023年4月時点では区内の保留児童が425人にのぼり、市内最多を記録しています。その後、市の整備が進み、令和8年4月時点の市全体の保留児童数は1,256人(過去最少)まで減少しました。市の発表によれば、区別の保留児童数は今も港北区が市内最多級ですが、ピーク時と比べると改善傾向にあります。
エリア別に見る、入りやすさの違い
港北区内のエリアごとに、保育園の数と傾向は大きく異なります。代表的なエリアを順に見ていきます。
日吉エリア(日吉・日吉本町・箕輪町・下田町・高田)
東急東横線日吉駅と市営地下鉄日吉本町駅を中心とするエリアです。区内でも特に保育需要が強く、重点整備地域に指定されているのもこのエリアです。慶應義塾大学日吉キャンパスの存在もあり、若い世帯の流入が続いてきました。
区内の認可保育所のうち約30園がこのエリアに集中していますが、申込者数も多いため、激戦区のなかでもさらに激戦と言える状況です。日吉本町の市営地下鉄沿線は、東急沿線と比べるとやや緩やかな傾向があります。
綱島エリア(綱島東・綱島西・新綱島)
東急東横線綱島駅と、2023年に開業した新綱島駅を中心とするエリアです。新綱島駅周辺の再開発でタワーマンションが整備され、子育て世帯の流入が急加速しています。綱島東1〜6丁目は「整備が必要な地域」に指定されており、令和7年4月にも綱島東3丁目に新設保育所が開所しました。
綱島エリアは「保育所の数は徐々に増えているが、需要の伸びも止まらない」という、追いかけっこの状態が続いています。新綱島駅周辺は、これから数年でさらに保育所が増える見込みです。
大倉山・菊名・妙蓮寺エリア
東急東横線の大倉山駅・菊名駅・妙蓮寺駅を中心とするエリアです。住宅街として歴史が長く、落ち着いた雰囲気が魅力です。大倉山には認可保育所が10園以上集積しており、日吉・綱島と比べると保活の競争はやや穏やかな傾向があります。
JR横浜線菊名駅は、東急東横線との乗換駅で都心アクセスがよく、共働き世帯に人気のエリアです。妙蓮寺は東急東横線各駅停車のみが停車する駅で、街の規模はコンパクトながら家賃相場が抑えめなことから、子育て世帯に選ばれることが多いエリアです。
新横浜・小机エリア
JR横浜線・東海道新幹線・市営地下鉄ブルーラインの新横浜駅、JR横浜線小机駅を中心とするビジネス街色の強いエリアです。新横浜駅周辺は、近年は住宅エリアとしても開発が進み、保育所も整備されつつあります。
このエリアは、企業勤務の共働き世帯が職場近くで子どもを預けたいというニーズで利用するケースも多く、申込者の通勤圏が他のエリアと異なります。区内に住まいを構える方の保育所選択肢としては、新横浜より大倉山・菊名のほうが選びやすいことが多いです。
新羽・新吉田・大豆戸エリア
市営地下鉄ブルーラインの新羽駅・北新横浜駅、東急東横線大倉山駅から徒歩で行けるエリアです。新吉田エリアは住宅街色が強く、駅から離れた地域には小規模園や認可外保育施設も点在しています。
このエリアは、自家用車での送迎を前提とした保活設計が有利に働きます。区中央部のため、日吉や綱島と比べると保育所の競争はやや緩やかな印象です。
港北区の申し込み手順
港北区の保育所の利用申請は、港北福祉保健センターこども家庭支援課の保育担当が窓口になります。所在地は港北区大豆戸町26-1、最寄駅は東急東横線大倉山駅です。
申請方法(オンライン・郵送・窓口)
令和8年度からは、マイナポータルを利用したオンライン申請が広く利用できるようになりました。書類不備のやり取りをメールで完結できるため、共働き世帯にとって利便性が高い選択肢です。マイナンバーカードをお持ちの方は、オンライン申請を第一候補にしてください。
郵送申請の場合の宛先は「〒222-0032 横浜市港北区大豆戸町26-1 港北福祉保健センターこども家庭支援課保育担当」です。窓口申請は、区役所のほか、新横浜・日吉行政サービスコーナーでも受け付けています。
スケジュール(令和9年4月入園を想定)
令和9年4月入園を狙う場合のスケジュール感は、おおよそ次のとおりです。年度によって日程は変わるため、必ず港北区公式の最新案内をご確認ください。
- 令和8年9月:令和9年度の利用案内が公開、就労証明書の様式もダウンロード可能に
- 令和8年10月:オンライン申請の受付開始
- 令和8年11月初旬:4月一次利用調整の申請締切
- 令和9年2月上旬:4月一次利用調整の結果通知
- 令和9年2月中旬:4月二次利用調整の申請締切
- 令和9年3月:4月二次利用調整の結果通知、5月以降の月次申請受付開始
認可以外の選択肢と地域子育て支援拠点
港北区の保活では、認可保育所だけでなく、認可外の選択肢も組み合わせて考えることが重要です。特に1歳枠の少なさを踏まえると、認可外を経由しての加点取得が有効な戦略になります。
区内には、横浜保育室、小規模保育事業、家庭的保育事業、企業主導型保育事業、その他の認可外保育施設が複数あります。それぞれの選択肢の特徴については 横浜市の保育園空き状況・市総覧 でも詳しく扱っています。
また、港北区には地域子育て支援拠点「どろっぷ」があります。妊娠期から未就学のお子さんを育てるご家庭の交流・相談スポットで、保活の情報収集にも活用できます。日吉本町の本拠点に加えて、新横浜方面に「どろっぷサテライト」も運営されています。
公式情報・参照元リンク
本記事は、以下の横浜市・港北区公式情報を出典としています。最新の状況は必ず公式ページでご確認ください。
- 港北区 保育所情報(港北区役所)
- 令和8年度保育所等の利用申請を希望する方へ(港北区役所)
- 保育所等の入所状況(横浜市こども青少年局)
- 港北区地域子育て支援拠点 どろっぷ
港北区役所こども家庭支援課(保育担当)の連絡先は、電話 045‐540‐2280、FAX 045‐540‐2426です。お住まいの状況に合わせた個別のご相談はこちらでお受けいただけます。
横浜市全体の保活の構造、ランク制の仕組み、保育料、子育て支援制度については以下の記事でも詳しく扱っています。あわせてご覧ください。
