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イヤイヤ期は、2歳前後に現れる第一反抗期です。何をするにも「イヤ」「ダメ」「自分でやる」といった言葉に振り回されて、対応に悩んでいるママやパパは多いでしょう。
イヤイヤ全開の子どもには、いくつかの対処法があります。対応を間違えると、子どもの気持ちが切り替えができなくなくなり、ますます大変になることも少なくありません。子どもに寄り添うには、まずイヤイヤというのはなぜなのかを理解するところから始めましょう。そうすることで、適切な対応がとれるようになりますよ。
この記事では、子どものイヤイヤ期について解説します。子どもがイヤイヤを発動する理由と対処法、イヤイヤ期でもダメと伝える場面や終了を告げるサインも合わせて確認しましょう。この時期をうまく乗り切るには、ママも自分に「大丈夫」と声をかけて、あまり思いつめずに過ごしてくださいね。
なぜ?子どもがイヤイヤを発動する理由3つ
1歳半から3歳ごろにかけては、繰り返しダメ出しすることが増えてきます。一見して、何がきっかけで発動するのか分からないことも多いでしょう。しかし、子どもなりにイヤイヤをする理由があります。理由が分かれば、子どもの気持ちに寄り添いやすくなりますよ。
子どもがイヤイヤを発動する理由は、主に以下の3つです。
- 1歳を過ぎるとできることが増えてくるから
- 好奇心が旺盛になり自分でやってみたいことが増えるため
- 眠い・疲れたといったいくつかの不快感が重なっているから
1歳を過ぎるとできることが増えてくるから
1歳を過ぎるとできることが増えてくるため、これまでお世話されていたことも、自分でやろうとします。「できたね」「頑張ったね」とママやパパに喜んでもらえるのは嬉しいのですが、やらされる感があると子どもは穏やかではありません。
できることが増えてくるゆえに、心と体の準備ができていないときには不安になり、イヤイヤを発動するわけです。
イヤイヤ期によくある行動を年齢別にまとめました。
年齢 |
イヤイヤ期の主な行動 |
1歳児 |
・喃語(意味のない言葉)や身ぶり手ぶりで自分の意思を伝える |
2歳児 |
・自分の意思を言葉で強く主張する |
3歳児 |
・自分で考えて行動したい欲求がますます高まる |
参照:子どもの発達と診断3 幼児期 I|田中昌人/田中杉恵
年齢にともなって、イヤイヤ期の激しさが増すと理解しておくとよいかもしれませんね。イヤイヤ期は、子どものできることが増える成長の証といえるでしょう。
好奇心が旺盛になり自分でやってみたいことが増えるため
子どもにとって周りにある物はどれも興味深く、できなかったことに挑戦し、やり遂げることに喜びを感じます。そのため、自分でやってみたいことに対して、ダメと言われると、イヤとイヤと強く不快感を示すのです。
やることの範囲が広がり、危ない場面も増えてきます。そうすると親は子どもの行動を止め、物から遠ざけてしまうでしょう。危険を回避する正しい対応とはいえ、子どもは理解が追いつかなくなり、イヤイヤを発動します。
親の立場からすれば、時間がない、予定通りに用事が進まないなどの理由で、子どもにじっくり寄り添えないときはありますよね。つい手を貸してしまいがちです。一方で子どもは、自分だけの力でやってみようとしているのに取り上げられた気持ちになるのでしょう。
眠い・疲れたといったいくつかの不快感が重なっているから
眠気や疲れといったいくつかの不快感が重なり、子どもも自分が何を求めているのか分からなくなってしまう場合もあります。生理的不快は自覚しにくいうえに、自分でコントロールできないもどかしさからイヤという気持ちが強くなります。
いくつかの不快感が重なったときは、激しい泣きをともなう癇癪(かんしゃく)が現れる場合がほとんどです。子どもによって異なりますが、具体的には以下の行動がみられます。
- 床にひっくり返って泣き叫ぶ
- 物を投げる
- 自分の頭を壁や床などに打ちつける
- 近くにいる人を叩く・蹴る
- 手がつけられないほどじたばたする
いくつかの不快感が重なるイヤイヤは、生活リズムをうまく切り替えられない可能性があります。イヤイヤと言い始める前の状況を思い起こしてみると、不快感の正体が分かるかもしれませんね。
イヤイヤ期の対処法は子どもの気分を変えられるかがカギ
イヤイヤ期の対処法は、早く解決しようと急ぐとうまくいきません。イヤイヤ状態の子どもに矢継ぎ早に声をかけても、ますますかたくなになるばかりです。そのため、子どもの気分を変えられる対処が必要になります。
試して欲しいイヤイヤ期の対処法は、以下の5つです。
- 子どもの気持ちを受け止める
- 子どもを急かさない
- いくつかの選択肢を示す
- 激しいイヤイヤは刺激の少ない場所へ移動する
- どうしても困ったら親の思いを素直に伝えるのもおすすめ
1.子どもの気持ちを受け止める
子どもがイヤイヤしないではいられない気持ちを、まず受け止めましょう。あなたの気持ちは分かっているよというメッセージを伝え続けることが大切です。子どものなかに、自分を分かってくれる人がいるという気持ちを育むことにつながります。
イヤイヤに対して、深刻になるほか、真正面から受け止めると、お互いにヒートアップしてしまうでしょう。まず、「どうしてもイヤなのね」と、子どもの気持ちを受け止めてあげてください。言葉で伝えると、自分の気持ちを分かってもらえたと確認できるので、落ち着いてきますよ。
2.子どもを急かさない
気持ちがイヤイヤと揺れ動いているときに、子どもを急かすのは避けましょう。親の都合で急かしても、子どもは納得して行動できません。
子どもの気持ちを受け止めるのは大切ですが、「何がイヤなの」「どうしたいの」「さっきはこう言ったのに」と、このような言葉が出てしまいがちです。また、「これがイヤなら、あっちにしたらどう」と提案して、早くこの場を収めたくなるかもしれませんね。
ただ、親の焦っているときの表情は、真剣で怖く感じてしまうでしょう。子どもが安心して、自分のことを分かってもらえると実感するのは、親のやさしい笑顔です。イヤイヤしていても、親の表情はよく見ています。これらのことからも、子どもがイヤイヤしているときは急かさないことが大切です。
3.いくつかの選択肢を示す
子どもがイヤイヤしているときは、いくつか選択肢を示すと、気分を変えるきっかけが見つかる場合があります。答えが「はい」と「いいえ」しかない選ばせ方は、イヤイヤ期の子どもは、「いいえ=イヤ」になってしまうでしょう。
例えば、「AとBのどっちにする?」といった具合です。とにかく誰かに決められるのがイヤなので、選択肢の中から自分で選ぶとスムーズになります。選んだあとは、「すてきだね!」と言えば、満足するはずです。
ただ、Aを拒否したからといってBを選びたかったとはいえません。Aに対して気持ちが揺れているときに、「Bなのね」と親が決めてしまうと、取り上げられたことへの反抗し、子どもの気持ちのいきどころがなくなってしまうのです。
最後まで、子ども自身に選ばせ、思いを遂げられたと感じることができてはじめて、気持ちを切り替えられるでしょう。
4.激しいイヤイヤは刺激の少ない場所へ移動する
泣き叫ぶといった激しいイヤイヤのときには、刺激の少ない場所へ移動しましょう。なぜなら、子どもを落ち着かせるのが先決だからです。イヤイヤが激しいときは、聞こえてくる音や人の声のほかにも、自分の声でもさらにヒートアップしてしまいます。
以下の順番で、激しいイヤイヤをクールダウンしましょう。
- 周囲に危険な物がないかを確認する
- 抱きしめたり、背中をさする
- 落ち着くまで待つ
家のなかであれば、窓を開けて風にあたるのも良いですね。窓を開けられない場合は、エアコンで調整しましょう。イヤイヤが収まってきたら、水分補給やお気に入りのグッズを持たせると、グッと落ち着くこともあります。
5.どうしても困ったら親の思いを素直に伝えるのもおすすめ
どうしてもイヤイヤしている子どもの対処に困ったら、その思いを素直に伝えるのもおすすめです。親にも感情がありますから、困るときもあります。「〇〇したら、ママは困っちゃうよ」「〇〇してくれると、うれしいな」と、声をかけてみましょう。
子どもは2~3歳ごろから、相手の気持ちに寄り添い、気配りができるようになってきます。親の思いが分かることで、それに合わせるようになるのです。そのため、子どものイヤイヤに対して、ときには親の喜怒哀楽を素直に伝えてみてくださいね。
参照:子どもの発達と診断3 幼児期 I|田中昌人/田中杉恵
\どう付き合えばいいの?イヤイヤ期の子どもとの向き合い方/
イヤイヤと泣き叫ぶ子どもを前にすると、どうしたらよいのか分からなくて泣きたくなりますよね。そういった気持ちを抱えて、「イヤイヤ期」の子どもへの関わりはどうすればよいのでしょうか。
こちらの講座は、子どものイヤイヤ期をテーマに、この時期に子どもはどのような成長を遂げているのかを踏まえて、楽しく子育てができるヒントを解説しています。リアルなお悩み相談は、イヤイヤ期子育て中のママに参考となるでしょう。
◆具体的な講座内容 ●Part1: ●Part2: |
動画視聴後は、講師へ無料相談も可能です。イライラせずに子育てがしたいママは、ぜひチェックしてみてくださいね。
イヤイヤ期であってもきっぱりとダメと伝える場面
ダメなことは叱らないと、わがままになるのではと不安になりますよね。だからといって、ダメなことが多すぎて、いつも叱ってばかりでは、親子ともに疲れてしまいます。子どもは叱られている重みを感じません。
本当に叱らなければならないことは、案外少ないものです。だからこそ、目を合わせて強い口調で叱ってください。まだ言葉の理解が十分ではない子どもに、親の本気度が1回で伝わりますよ。
イヤイヤ期であってもきっぱりとダメと伝える場面は、以下の3つです。
- 危険なことをしているとき
- 人を傷つけたとき
- 人に迷惑をかけたとき
危険なことをしているとき
小さい子どもは経験が乏しく、何が危険か分かっていません。危険なことをしているときは、その都度「ダメ」と伝えましょう。
日常には、多くの危険が潜んでいます。
場所 |
危険な行動 |
室内 |
コンセントの差し込み口をさわる |
屋外 |
車道への飛び出し |
子どもの危険な行動を止めるには、「ダメ」と体を密着させて抱きとめましょう。抱きとめてから、「危ないよ」と教えます。
人を傷つけたとき
人を傷つけるのは「ダメ」と教えなくてはなりません。人を傷つけるとは、体を傷つけるのは当然ですが、大人が聞くと眉をひそめそうな暴言、仲間外れにするといった心を傷つけることも含みます。
イヤイヤ期の子どもは、言葉でかなわないと手が出たり、噛みついたりする場合があるので、子ども同士で遊んでいる近くで見守るようにしてください。手が出そうになったら抱きとめて、相手に伝える適切な言葉を教えてあげましょう。
親が子どもを軽く叩いて、動きを止めさせようと考えるかもしれません。やはり体罰になるので、避けるべき行為です。叩かれた子どもは、問題解決の手段として暴力が有効だと学びます。そのため、人を傷つけそうな時点で、抱きとめましょう。
人に迷惑をかけたとき
人に迷惑をかけないという社会の基本的なルールは、しっかり教えたいものです。守れない場合は、「ダメ」と強く言って止めましょう。
例えば、以下のような場合が挙げられます。
- 多くの人がいる場所で走り回ってはいけない
- 静かにすべき場所(図書館や病院など)で大声をあげない
- お店で精算前の商品をあけない
大きな声で泣き叫ぶなど、場合によってはその場から離れることも必要です。迷惑をかけないと約束できたなら、戻るようにしましょう。社会的ルールは、3歳ごろから少しずつ理解できます。そのころを目安に教えるべきしつけのひとつです。
そろそろかも?イヤイヤ期の終わりにみられるサイン3つ
毎日のようにイヤイヤが続いていると、「イヤイヤ期がいつまで続くのだろう」と気が遠くなりますよね。しかし、イヤイヤ期は必ず終わりが訪れます。以下に示すサインがみられたら、イヤイヤ期の終わりまであと少しかもしれません。
ここでは、イヤイヤ期の終わりにみられるサインを3つ解説します。
- 気持ちの切り替えができるようになってきた
- 気持ちを言葉で伝えられるようになってきた
- 交渉するようになってきた
1.気持ちの切り替えができるようになってきた
思い通りにならないときでも感情を爆発させない、すっと平穏にもどるといった、気持ちの切り替えができるのは、イヤイヤ期の終わりにみられるサインのひとつです。
イヤイヤ期の子どもが気持ちの切り替えができる様子の一例を挙げます。
【遊びのなかでうまくできないとき、癇癪を起さずに、別の遊びを始める】 【親からの提案に対し、やりたいことがあっても応じるようになる】 |
イヤイヤ期は、泣いたり怒ったりして思いを通そうとしていますが、そういった姿が少なくなってくると、徐々に気持ちの切り替えができているのかもしれませんね。
2.気持ちを言葉で伝えられるようになってきた
イヤだと思う理由を話せるようになると、子どもの要求が伝わりやすくなり、モヤモヤした気持ちが解消されます。そうすると、理由のはっきりしないイヤイヤが少なくなりますね。自分の気持ちを言葉で伝えられるのは、イヤイヤ期の終わりのサインといえます。
2歳を過ぎると急激に言葉数が増え、二語文もしくは三語文が話せるようになります。さらに2歳後半には、「~だから~だ」と因果関係を示せるようになり、自分の気持ちを言葉で表現することが可能です。
ただし、言葉によるコミュニケーション能力が伸びても、感情が高ぶっている間は冷静な受け答えはできません。落ち着くのを待って、子どもの気持ちを聞き出してあげてくださいね。
参照:子どもの発達と診断3 幼児期 I|田中昌人/田中杉恵
3.交渉するようになってきた
イヤイヤ期の対処法として、親から子どもへいくつかの選択肢を示すことを紹介しました。これが、イヤイヤ期の終わりに近づくと、子どもから交渉する姿がみられます。
- 今やりたいことができないと分かったときに、別の日ならよいか尋ねる
- 親の提示する選択肢からスムーズに選べる
- 自分から代替案を示してくる
自分のやりたいことを強く押し通すのではなく、交渉しながら、柔軟におとしどころを見つけるには、ある程度巧みな言語能力が必要です。イヤイヤしている子どもに選択肢を与えつつ、やりとりを観察しましょう。交渉するようになってきたら、イヤイヤ期もそろそろ終わりと思って付き合ってあげてください。
イヤイヤ期の対処法を理解して親子で乗り越えよう
子どもがイヤイヤを発動する理由と対処法、イヤイヤ期でもダメと伝える場面や終了を告げるサインを解説しました。
なかなか手強いイヤイヤ期でも、いつかは終わりが訪れます。ママにも余裕のあるときもあれば、どうしようもないときがあるでしょう。いくつか対処法を知っておくだけで、少し心が軽くなりますよ。イヤイヤしている子どもの対処に悩んだときは、ぜひこの記事を参考に、親子で乗り切りましょう。
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