慣らし保育とは?よくある困りごとの対処やスムーズに職場復帰するポイント

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慣らし保育は、入園当初の一定期間におこなわれる時間の短い取り組みを指します。初めて子どもを入園させるママやパパは、園になじめるのか不安があるでしょう。入園にともない職場復帰する場合は、慣らし保育のスケジュールや期間が気になるかもしれませんね。

また、慣らし保育が順調に進まない場合があるので要注意です。事前に、どのようなケースがあるのか知っておくと対処がしやすくなります。

この記事では、慣らし保育の目的やスケジュールと期間、よくみられる困りごとの対処法を解説します。さらに、職場復帰をスムーズにさせるために慣らし保育とのタイミングやポイントも解説しているので、入園前の参考にしてください。

保育園生活になじめる?慣らし保育5つの目的

入園後、子どもが保育士やお友だちとなじめるのか、保育園生活に慣れることができるのかなど心配になりますよね。慣らし保育は、子どもが保育園生活で楽しく過ごせるために必要です。

しかし、慣らし保育の目的はそれだけではありません。子どもだけでなく、ママやパパのためにも慣らし保育には大きな意味があるのです。

慣らし保育をおこなう主な目的は、以下の5つです。

  1. 子どもが保育園での生活に慣れる
  2. 保育士と親が連携しながら信頼関係を築く
  3. 子どもが親と離れた生活に慣れる
  4. 親が子どもと離れる不安を軽くする
  5. 保育園に通う生活リズムを作る

1.子どもが保育園での生活に慣れる

慣らし保育がおこなわれる1番の目的は、子どもが保育園での生活に慣れることです。入園したばかりの子どもは、慣れない環境に戸惑って泣き出してしまうでしょう。初めての場所で知らない人と関わるなかで、不安に感じるのは自然なことといえます。

こうした子どもが楽しく過ごせるようになるには、保育園が安心できる場所だと感じてもらう必要があります。そのため、段階的に保育時間を延ばして、不安を少しずつ和らげてあげなければなりません。慣らし保育によって、保育士や園内の子どもたちがいる生活になじむことができるのです。

2.保育士と親が連携しながら信頼関係を築く

慣らし保育は、保育士と親が信頼関係を築く期間でもあります。入園前におこなわれる面談だけでは、お互いに何かしら不安が残るものです。

通常保育よりも時間的に余裕がある慣らし保育では、送迎時にママやパパとコミュニケーションがとりやすくなります。

家庭の様子

保育園での様子

子どもの体調・機嫌
前夜の睡眠時間
食事内容
遊びの様子

活動内容(全体のスケジュール)
子どもの機嫌
食事内容
排便の回数
午睡時間
ちょっとしたケガの報告

登園の際に、家庭での子どもの様子を伝えられれば、保育士は健康状態を把握できます。保育士からは、保育園での子どもの姿からアドバイスがもらえることもあるでしょう。これから、子どもを安心して保育園へ送り出すには、慣らし保育期間に保育士と連携をとり信頼関係を築くことが大切です。

3.子どもが親と離れた生活に慣れる

慣らし保育では、時間をかけて子どもが親と離れた生活に慣れることも目的としています。子どもにとって保育園は、初めて親から離れた生活の場です。

小さな子どもは、不安な気持ちを自分の力だけで切り替えることができません。そのため、ママやパパに抱っこをねだったり、しがみついたりして、受け止めてもらえてはじめて不安を解消するわけです。このように、子どもが特定の大人との心のつながりを「愛着」といいます。

保育園でも保育士との愛着が形成され、子どもが身体接触を求めて安心感が得られるようになれば、何かあっても助けてくれる存在になりえます。そういった存在がそばにいることで、親から離れても不安を感じなくなるのです。

4.親が子どもと離れる不安を軽くする

慣らし保育は、親にとって子どもと離れるという不安を軽くするために必要な取り組みです。子どもにとって初めての保育園生活は、親にとっても今までにない経験となります。そのため、家族以外の人に預けるのが子どもに良いのか自信がもてないという声も少なくありません。

また、保育士ともこれから信頼関係を築く段階で、子どもにどのように接してもらえるのかイメージしにくいでしょう。慣らし保育では、子どもの性格やミルクの飲み方、寝かしつけの仕方を確かめながら、安心して過ごせるよう寄り添ってくれます。

保育園の雰囲気や保育士の人柄を知り、信頼関係を築くことで、少しでも子どもと離れる不安を軽減し、負担をなくそうというのが慣らし保育の目的です。

5.保育園に通う生活リズムを作る

保育園に通う生活リズムを作ることが、慣らし保育の目的です。毎朝決まった時間に起きて、登園するまで習慣化させなければなりません。

保育園によって、朝の受け入れ時間は異なるので、確認のうえ、保育園での生活をシミュレーションしてみましょう。

①保育園の受け入れ時間
②登園にかかる時間
③自宅を出発する時間
④着替え、園の支度、朝食にかかる時間
⑤起床時間
⑥就寝時間

上記のように逆算して考えると、分かりやすいですよ。各家庭の事情で、子どもが夜遅くまで起きている話はよく聞かれますが、寝つきやすい環境を作り、多めの睡眠時間を確保しましょう。

慣らし保育のスケジュールと期間

慣らし保育の期間とスケジュールは、自治体や保育園によって細やかに違いがあります。一般的に1〜2週間と定めている保育園が多くなっていますが、数日程度で終了するところもあるので、詳しくは地域の自治体や保育園で確認しましょう。

また、子どもが機嫌よく過ごせるなど状況によっては、慣らし保育の期間が短縮されることも少なくありません。慣らし保育がスケジュール通りに進まない可能性を踏まえて、余裕をもって準備を進めておくと良いでしょう。

ここでは、慣らし保育の期間とスケジュールについて、以下の内容で解説します。

  • 通常の慣らし保育は1~2週間で終了
  • 場合によっては1か月ほどかかることもある

通常の慣らし保育は1~2週間で終了

慣らし保育の期間は、1週間から2週間で終了するのが一般的です。最初は1時間から2時間程度から始め、緩やかに保育時間を長くしていきます。

慣らし保育のスケジュール例(2週間)は、以下の通りです。

1~2日目

1~2時間ほどでお迎え

3~5日目

朝から給食前にお迎え

翌週1~2日目 

朝から給食を済ませてお迎え

翌週3~5日目 

朝からお昼寝を済ませてお迎え

15日目以降

終日保育開始

慣らし保育が始まって5日ほどは午前中のみで終了し、それ以降に給食を開始する保育園がほとんどです。数日間はお迎え時間が早いため、慌ただしくなりがちですが、徐々に保育時間が長くなればスケジュールに余裕が出てくるでしょう。

場合によっては1か月ほどかかることもある

慣らし保育は、当初の予定を延長して、場合によっては1か月ほどかかることがあります。やはり、子どもが環境の変化で体調を崩してしまうのは珍しくありません。夜泣きが始まったり、できていたことができないもしくはやろうとしないといった成長が後戻りしたりする子どももいます。

保育園のお休みが続いてしまうと、その分のスケジュールが伸びてしまうのです。子どもの病気は急変しやすいため、緊急の対応を考えておきましょう。備えておけば、焦らずに行動できますよ。

慣らし保育が終わらないかも?よくある困りごとと対処法

「復職日が迫っているのに、慣らし保育が終わらないかもしれない」と思い悩むかもしれません。あらかじめ、どのような困りごとがあるのか、その対処法を知っておくと安心です。

慣らし保育に入り生活リズムが新しくなると、お昼寝がなかかできない子どもがみられます。お昼寝ができないと、慣らし保育の期間が延長されるのではないかと心配になるかもしれませんね。

結論としては、お昼寝できないからといって、慣らし保育が延長になることはありません。新しい生活リズムに慣れていなかったり、もともと睡眠が少ないタイプだったりといった影響が考えられます。そのため、保育士さんは子どもが寝ないなりに関わってくれるので安心です。

ここでは、慣らし保育でよくある困りごとと対処法を解説します。

  1. 登園時から大泣きして離れられない
  2. 給食や水分補給が思うように摂れない

登園時から大泣きして離れられない

登園時から泣きぐずってなかなか親と離れられないのは、慣らし保育の開始当初によく見られるケースです。そのまま、お迎えのときも泣いている状況もみられます。何日も泣く日が続くと、「今日も泣くの?」と焦ってしまいますね。

子どもが泣くのは、新しい環境への不安や緊張、いつも一緒にいる親と離れる不安です。慣れない人に抱かれたり、親の姿が見えなくなることで、不安をいっそう強めていきます。小さな子どもは、親の姿をイメージとして残せません。今はバイバイだけど、後で会えるよという理解ができないのです。

大泣きして止まないときの対処法には、以下のようなものがあります。

  • お気に入りのおもちゃやタオルを持たせる
  • 子どもに「必ず迎えに来るね」と伝える
  • 子どもが気づかないうちにそっと離れる
  • 子どもが泣いても保育士に託して、その場を離れる

しばらく泣いても、すぐに親が戻ってこないとあきらめて、保育士やおもちゃに目を向け始めます。慣れてくると、泣かずに「いってらっしゃい」ができるようになるでしょう。

給食や水分補給が思うように摂れない

子どもは、給食や水分補給ができない場合、熱中症や低血糖などの体調不良を引き起こしやすくなるので心配です。慣らし保育の短時間でも、いっさい口にしない日は帰宅してからたくさん食べるかもしれません。

主に、おうちとの味付けの違いに加えて、もともと食が細いといった特性が要因です。また、母乳からミルクの切り替えが不十分な場合も考えられます。

給食や水分補給が思うように摂れないときは、以下の対処を試してみてください。

  • おうちで使っているスプーンやフォークと同じものを用意する
  • 給食と同じメニューを一緒に食べる
  • 哺乳瓶でミルクを飲む練習をし、おうちで使っているミルクと哺乳瓶を持参する

お迎えの際に、給食や水分補給の量を確認し、頑張る姿をほめてあげましょう。

復職日はいつにする?慣らし保育と職場復帰のタイミング

育児休業から職場復帰に向けてのスケジュールは、慣らし保育のタイミングを考慮しましょう。

子どもが1歳未満で入園し、慣らし保育をスタートさせている場合に、育児休業給付金の対象となります。職場復帰が大幅に遅れたり、育児休業給付金を受け取れなかったりといったことがないように、復職日を決めましょう。

慣らし保育と職場復帰のタイミングは、主に以下の3つです。

  • 慣らし保育終了後に職場へ復帰する
  • 育休終了時期に合わせる
  • 育休終了を待たずに保育園の入園に合わせる

慣らし保育終了後に職場へ復帰する

慣らし保育終了のタイミングで職場復帰するパターンです。職場復帰の前であれば、都合をつけやすく、柔軟に対応できるメリットがあります。

  • 通常保育より短い時間でもお迎えにいきやすい
  • 子どもの体調不良で保育園をお休みしても対応しやすい
  • 慣らし保育が当初の予定より延長されても対応できる

慣らし保育期間は、親にとって様々な対応が求められます。そのため、職場復帰前に慣らし保育を終了できれば時間的にも余裕が生まれるでしょう。空いている時間は、職場復帰に備えて美容院に出かけるなどリフレッシュしてみるのも良いですね。

育休終了時期に合わせる

子どもが1歳前であれば、育休終了時期に合わせて職場復帰を目指す方法があります。

厚生労働省の「育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱いについて」では、慣らし保育を見据えた育休中の入園が認められています

ただし、育休は子どもが1歳を迎える前日までのため、注意が必要です。誕生日によっては慣らし保育期間内に1歳を過ぎる場合もあるので、復帰までの期間を有給休暇や欠勤として対応してもらうなど、会社のルールを踏まえて調整しましょう。

育休休業給付金の支給に注意

給付期間内であれば「復職日の前日」まで育児休業給付金を受けられます。ただし、慣らし保育期間内に1歳を過ぎる場合は、「1歳になってから復職するまで」の間は育児休業給付金が支給されないので注意してください。

給付期間には例外もあるので、確認しましょう。

自治体によって、保育園入所日や慣らし保育期間から復職までの猶予期間が設けられています。保育園や自治体に確認したうえで、早めに準備しましょう。

育休終了を待たずに保育園の入園に合わせる

育休中であっても保育園の入園が決まれば、慣らし保育をスタートしながら職場復帰するパターンです。保育園は、親の望むタイミングで入園ができるとは限りません。子どもが生後57日(生後2か月)以上から保育園に預けられるため、空きが出ればすぐに慣らし保育をスタートし、職場復帰が可能です。

お迎えができる家族などと対応しながら、無理なく職場復帰を果たすケースも珍しくありません。保育園の入園に合わせて職場復帰する場合は、慣らし保育への対応だけでなく、緊急時も含めた対策がポイントになるでしょう。

慣らし保育からスムーズに職場復帰するポイント3つ


子どもの急な病気による保育園のお休みのときや、慣らし保育期間の延長の場合に、職場復帰が難しくなるケースも少なくありません。工夫次第でスムーズに職場復帰できる可能性は高まります。

ここでは、慣らし保育期間中の職場復帰をスムーズにするためのポイントについて解説します。

  1. 職場へあらかじめ相談する
  2. 保育園と慣らし保育の期間を相談する
  3. パートナーと育児分担について話し合う

1.職場へあらかじめ相談する

慣らし保育が終了するまでの間の働き方について、職場へあらかじめ相談しましょう。せっかく職場復帰しても、子どもに合わせて早退しなければなりません。職場へ状況を報告し、要望を伝えましょう。

子どもの送迎に対応できる時短勤務に切り替える、慣らし保育などで引き続き休む場合に有給休暇を取得できるのかといった、職場のルールを確認してください。社内調整が必要になる場合もあるため、復職日を決める前の段階で相談しましょう。

2.保育園と慣らし保育の期間を相談する

慣らし保育期間に入る前に、保育園とどれくらいの期間がかかるのか相談しておきましょう。1週間から2週間が一般的ですが、子どもによっては長期間の慣らしが必要になる場合があります。復職日が決まっているのであれば、慣らし保育の期間短縮を伝えるのがおすすめです。

また、親の職種や勤務状況、諸事情によって保育時間の短縮が難しい場合にも、柔軟に個別対応してくれるでしょう。慣らし保育について保育園に相談することで、スムーズに職場復帰ができるので、よく話し合って目安となる期間を決めてください。

3.パートナーと育児分担について話し合う

慣らし保育からスムーズに職場復帰するには、育児分担についてパートナーとの話し合いが欠かせません。職場復帰をした後の生活をシミュレーションし、パートナーと共有しましょう。

  • 登園に合わせて何時に自宅を出発するか
  • 何時までにお迎えに行けるか
  • 保育園からの呼び出しにどちらが対応するか
  • 出張など不在時の対応をどうするか

できるだけ細かな点まで、具体的にイメージしておくことをおすすめします。いざというときも冷静に対処しやすくなるでしょう。

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慣らし保育を親子で乗り切ってスムーズな職場復帰を目指そう

慣らし保育は、子どもが保育園での生活に慣れるための重要な取り組みです。1週間から2週間かけて、段階的に時間を増やして通常保育へと移行します。その間には、慣らし保育が終わらないのではないかと不安を抱くこともあるでしょう。その際の対処は、この記事を参考にして、焦らずに対応しましょう。

慣らし保育からの職場復帰をスムーズに進めるためにも、あらかじめ職場や保育園にしたうえで、パートナーと育児分担について話し合うことが大切です。慣らし保育を親子で乗り切って、スムーズな職場復帰を目指しましょう。

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PULMO編集部

ママ向けオンラインコミュニティ「PULMO」編集部です。子育てに役立つ情報を、お届けします。

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