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「些細なことで泣き続ける」
「うちの子、繊細すぎるかも」
「周囲の子どもとは、ちょっと違う」
このように、繊細な子どもに育てにくさを感じていませんか。繊細な子どもには、HSC(Highly Sensitive Child)と重なる特徴がみられます。
そのため、声かけや接し方に工夫が必要です。良かれと思って声をかけると、逆効果になることも少なくありません。HSCの存在を知ることで、子どもの育て方や伸ばす方向がみえやすくなるでしょう。
この記事では繊細な子どもの特徴のほか、接し方のポイントや習い事への対応について解説します。心がラクになる子育てのヒントが欲しいママは、ぜひ参考にしてみてください。
育てにくさがある?HSCの傾向をもつ繊細な子どもの特徴
子どもの繊細さゆえに、育てにくさを感じられるかもしれません。多くの場合、HSCの特徴をもっています。HSCとはHighly Sensitive Childの略語で、アメリカの臨床心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した概念です。周囲の環境に対して、敏感に反応する特性をもつ子どもを指します。
HSCには「DOES」という4つの特徴があります。
4つの特徴 |
内容 |
D(Depth of processing):情報を深く処理してしまう |
・深く考えることで様々な可能性が浮かんでしまう |
O(Overstimulated):刺激を受けやすい |
・刺激の多い場所で神経が高ぶりやすい |
E(Emotional reactivity and high Empathy):情動反応が強く共感しすぎてしまう |
・ポジティブ・ネガティブ双方の情報に反応してしまう |
S(Sensitivity to subtleties):周囲の些細な変化に気付いてしまう |
・些細な刺激によく気づく |
参照:適応感との関連に基づく HSP特性の検討|西谷健次/小野秀樹
ここでは、上記を踏まえて、HSCの傾向をのもつ繊細な子どもの特徴を分かりやすく解説します。
- 新しく経験する物事に対して慎重になる
- 刺激の多い場所で神経が高ぶりやすい
- 共感しやすく疲れやすい
- 些細と思われる刺激に反応しやすい
新しく経験する物事に対して慎重になる
HSCの傾向をもつ繊細な子どもは、新しく経験する物事に対して慎重になる特性があります。親からすると、大したことでもないのにそこまで考えなくても!と感じるかもしれません。様々な可能性に気づき、今までの経験と照らし合わせたり、比較したりしてからでないと行動を起こせないのです。
慎重すぎる、考えすぎといった様子から、周囲からは臆病、消極的と言われることもあります。一方で、深く考えるからこそ観察力や分析力に優れ、想像力が豊かになるなど長所になるでしょう。
刺激の多い場所で神経が高ぶりやすい
刺激の多い場所で神経が高ぶりやすいのも、HSCの傾向をもつ繊細な子どもの特性です。
ここでいう刺激とは、以下のようなものが挙げられます。
- サイレン・アラームの音
- 強い日差し・ネオンのチカチカした光
- 人混み・たくさんの人の視線
- 香水など臭いの強いもの
保育園では給食のなかに苦手な食べ物があるときのほか、運動会や音楽会でのスピーカーから流れる音楽や人の声がストレスとなり、泣き出してしまうこともあるでしょう。
刺激に圧倒され、興奮したあとはなかなか寝つけないことも少なくありません。そのため、ほかの人よりも緊張する状況を避けるのです。
共感しやすく疲れやすい
HSCの傾向をもつ繊細な子どもは、人の表情に反応しやすく共感性が高い特性をもちます。ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報にも反応するため、感情の揺れ幅に疲れやすいのです。
絵本や映画を通して感情移入し、共感性の高さが顕著になるでしょう。
- 誰かが怒られている場面では自分も辛くなる
- 泣いている人を見れば同じように落ち込んでしまう
- 喜ばしい話題には自分のことのように嬉しくなる
- 暴力シーンなど残酷な内容の話は苦手で、恐怖心や痛みを感じてしまう
共感性の高さから、周囲の空気をくみ取って、自分の考えや気持ちを伝えられずストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
些細と思われる刺激に反応しやすい
些細な刺激に気づく特性をもち、他の人が見逃す程度の身近な物音や、肌に触れる素材への違和感にも反応します。
例えば、以下のようなものが挙げられます。
- 洋服のタグ
- 靴下のつま先部分の縫い目
- 洋服の素材(チクチク・ガサガサ)
- かすかなにおい
- 家具の配置・物の移動
- 人の外見(ファッションやヘアスタイル)
- 人のしぐさや声のトーン
上記の刺激に反応するといっても、その程度が激しいのも特徴的です。大騒ぎして落ち着かないこともあれば、一日中気になって他のことが楽しめなくなるなど様々な反応があります。 まあいいかと、軽く流せないのです。親からすると、大げさな反応にみえるでしょう。
参照:The Highly Sensitive Person
どう向き合う?繊細な子どもへの接し方
繊細な子どもに対して、どのように接したらよいか悩む方は多いでしょう。周囲の状況に敏感に反応する特性をもつ子どもに対しては、以下のような接し方を意識することが大切です。マイナス面を最小限に抑え、感受性の高さを長所として伸ばしてあげられます。
ここでは、繊細な子どもに接するポイントを5つ解説します。
- 叱るときは適切な言葉の使い方を意識する
- ありのままの子どもの姿を理解する
- 親がミスや失敗をしたときは子どもに謝る
- 子どもの気持ちを言葉にしてあげる
- 心身の回復に時間をかける
1.叱るときは適切な言葉の使い方を意識する
繊細な子どもは敏感に反応することを差し引いても、叱られれば落ち込み方が大きくなるものです。そのため、叱るときは適切な言葉の使い方を意識しなければなりません。
子どもに叱っている真意を伝わりやすくするために、以下のポイントを意識しましょう。
- 短い言葉で分かりやすく伝える
- 大きな声を出さず、ゆっくり話す
- 人格を否定しない
- 何が悪かったのかをちゃんと説明する
- きょうだいやほかの子と比べるような表現は使わない
また、子どもに対してイライラするからといって、怒鳴ったり手をあげたりするのは避けるべきです。子どもは恐怖でいっぱいになり、それだけで大きなダメージになります。何がいけなかったのか、理解できなくなるでしょう。ママの顔色をうかがうような過ごし方にならないよう注意してくださいね。
2.ありのままの子どもの姿を理解する
繊細な子どもは、敏感な特性ゆえに周囲の空気を読んだり、頑張りすぎたりしがちです。そのため、親が子どもの理解者となることで過ごしやすくなります。どのような特性をもつのか、長所や短所も含め、ありのままの子どもの姿を理解してあげましょう。
親が子どものありのままを受け入れることができれば、子ども自身が自分を大切に思う気持ちが育まれていきます。しかし、親に受け入れられたという実感が得られない場合は、自信をもてず不安が強くなります。
ときには、繊細な子どもの姿をワガママだと指摘されるかもしれません。親のしつけができていないからだと考える人のなかには、言うことを聞かないのであれば強めの手段をとるのが親の役目と思い込んでいる場合が多いのも事実です。
子どもの敏感さはしつけの問題ではないので、そういった声を聞きすぎないようにしましょう。子育て方針に自信をもってくださいね。
3.親がミスや失敗をしたときは子どもに謝る
繊細な子どもと向き合うなかで、親が自分のミスや失敗に気づいたときは、ごまかしたりせずに謝ることが大切です。変化に敏感だからこそ、「失敗すればきちんと謝る」といつでも変わらない対応を大事にし、そういった環境に安心感を覚えます。
親は、子どもに対して完璧でなくてはいけないと考える必要はありません。誰もがミスをするし、失敗もあります。むしろ、失敗を認めて謝れるのは、誠実な態度といえるでしょう。
さらに、謝ったあとは信頼関係の修復を心がけてくださいね。その積み重ねが、社会性を身につける一歩になります。まずは、ミスや失敗に気づいたときに、子どもに謝れるかが接し方のポイントです。
4.子どもの気持ちを言葉にしてあげる
ありのままの子どもの姿を理解してあげると、繊細で敏感ゆえに感じている気持ちが分かってくるでしょう。様々な情報に対して、言葉にできないほど圧倒されている場面も珍しくありません。そういったときは、子どもの気持ちを代わりに言葉にして語りかけてあげてください。
周囲に理解されていないと思うだけで大きく傷ついて、本当の気持ちに蓋をするようになり、自分自身が分からなくなってしまうものです。そんなとき、自分の気持ちにぴったりと合う言葉をかけてもらうと、徐々に落ち着いてきますよ。
5.心身の回復に時間をかける
繊細な子どもは、日頃から受け取る情報が多いため、ひといちばい疲れてしまいがちです。親が考えている以上に、子どもは疲れているかもしれません。そんなときは、心身の回復に時間をかけてあげましょう。
子どもがいつもより甘えてきたり、話したそうにしているなどのサインをキャッチしてあげたいですね。何でもないように見えても、少なからず神経が高ぶっている場合があるので、緊張をほぐしてあげてください。スキンシップで心身の安定をはかるのもおすすめです。親子でのんびりとくつろぎましょう。
繊細な子どもの習い事で押さえておきたいポイント
小さな子どもがいると、幼児期から習い事をさせたいと考える家庭も多いでしょう。しかし、繊細な子どもの習い事は特性を加味したうえで、注意しなければならない点があります。また、どのような習い事が向いているのかも気になるところです。
ここでは、繊細な子どもの習い事で押さえておきたいポイントを5つ解説します。
- 言葉以外の表現方法を学ぶには創作活動がおすすめ
- やりたいことは後押ししてあげる
- 辞めたいと言ったら認めてあげよう
- 集団での習い事は時間をかけて慣れさせる
- 一度に複数の習い事を始めない
1.言葉以外の表現方法を学ぶには創作活動がおすすめ
繊細な子どもが習い事を始めるなら、言葉以外の表現方法を学べる創作活動がおすすめです。習い事によって表現のバリエーションが増え、豊かな表現力を養うことが期待されます。遠慮してうまく伝えられない子どもが多いため、言葉以外の表現方法を身につけると良いでしょう。
おすすめは、以下の創作活動です。
- ダンス・バレエ
- 体操
- 音楽
- 絵画
- 造形・工作
- プログラミング・ロボット
繊細な子どもは感受性が豊かで想像力も豊かなので、音楽や美術、ものづくりの習い事で長所を発揮できるでしょう。
各教室が公開しているホームページを参考に、幅広く検討してみてはいかがでしょうか。子どもがやってみたいと思う気持ちを大事な判断基準に加えてくださいね。習い事は入会前に、体験レッスンが設けられているところがあります。教室の雰囲気や子どもの様子を知るために、ぜひ参加すると良いでしょう。
2.やりたいことは後押ししてあげる
繊細な子どもは刺激を受け取りやすい分、感化されやすいので、ポジティブな面を重視してあげたいですね。新しく始める習い事は、子どもが少しでも興味をもって取り組みたいと思えるものを後押ししてあげましょう。新しい経験への挑戦を避けがちでも、やってみれば楽しくできることもたくさんありますよ。
小さな目標を設定して、ひとつずつクリアしていくよう進めるのがおすすめです。頑張っている過程は、しっかりほめてあげましょう。成功体験の積み重ねによって、少しずつ自信がつき、前向きに継続する気持ちにつながります。
3.辞めたいと言ったら認めてあげよう
習い事を辞めたいと言ったり、嫌がる素振りがみられるようなら、継続するか検討しましょう。習い事は、楽しい、好きという気持ちで取り組めると、子どもを大きく成長させます。無理に続けさせると、不安が大きくなり心身への影響が懸念されるので、子どもの意思を尊重しましょう。
また、一度始めたことは簡単に辞めさせたくないと、習い事を続けることにこだわりがあるかもしれません。親の立場としては、辞めグセがつくのではないかと心配になりますよね。
どうしても行きたくない日は、レッスンをお休みして様子を見るのもひとつの方法です。辞めるかどうか迷っているようなら、休会という選択肢もあります。子どもが後悔しないよう、期限を設けながら話し合ってみてくださいね。
4.集団での習い事は時間をかけて慣れさせる
繊細な子どもは、にぎやかな場所を苦手としています。騒がしい声や音、ほかの人の様子が気になって、自分のやるべきことに集中できなくなるからです。集団での習い事は、時間をかけて慣れさせていきましょう。
習い事に行っても、集団の輪に入れないことがあるかもしれません。さらに、発表会などのイベントを嫌がることもあるでしょう。ほかの子どもたちと同じようにできないと、不安になりますよね。
教室の先生に子どもの特性を理解してもらうよう働きかけて、できるだけ子どものペースでできるよう配慮してもらいましょう。集団での活動に慣れて不安が少なくなれば、伸び伸びと楽しめるようになりますよ。
5.一度に複数の習い事を始めない
繊細な子どもは、生活に大きな変化があるとストレスになりがちです。一度に複数の習い事を始めると、環境が変わってしまって気が休まりません。いくつもの習い事を始めることで、様々な経験ができる反面、中途半端になってしまう可能性も考えておきましょう。
そのうえで、現在の生活に習い事を増やすだけの体力が子どもにあるか、毎週通い続けるスケジュールをシュミレーションしてみてください。教室の場所によっては送迎が必要となり、想像している以上に負担になります。
子どもの特性と親子それぞれの負担を考慮し、一度に複数の習い事を始めないことをおすすめします。
繊細な子どもの特性を理解してのびのび育てよう
繊細な子どもの特徴のほか、接し方のポイントや習い事への対応について解説しました。
子どもの繊細さや慎重なところは、ネガティブに捉えられる場合があります。しかし、親をはじめとした周囲の人が正しく理解し、接することで、長所として伸ばすことが可能です。
また、繊細な子どもの成長には、言葉以外の表現を学ぶ創作活動などの習い事がおすすめです。繊細な子どもの特性を理解し、のびのび育てましょう。
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