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しらすは離乳初期から取り入れられ、加熱してもパサパサせず食べやすい食材です。たんぱく質やカルシウム、ビタミンDといった栄養が豊富で、赤ちゃんの健やかな成長の助けになります。1年中手に入り、価格が安定しているため手軽に取り入れられる点も魅力です。
この記事では、編集部が実際に作ったレシピ写真をもとに、しらすの栄養や離乳食づくりについて紹介します。離乳期ごとのレシピもぜひ参考にしてみてください。
離乳食にぴったり!しらすに含まれる栄養素をチェック
しらすには、赤ちゃんの健やかな成長や体づくりに大切な栄養素がふくまれています。離乳食の初期から使える素材です。
ここでは、しらすの栄養素や働き、1日の目安量を解説します。
- しらすの栄養①たんぱく質
- しらすの栄養②カルシウム
- しらすの栄養③ビタミンD
栄養素の目安量の中には母乳やミルクも含んでいるため、離乳食だけで栄養素を補おうとしなくても大丈夫です。また、赤ちゃんは一人一人個性があり、成長や発達のパターンは様々なので、目安量はあくまでも参考にしてくださいね。
しらすの栄養①たんぱく質
たんぱく質は、血液や筋肉など体を作る材料になります。丈夫な体づくりに必要な栄養素です。免疫細胞を作る役割もあり、不足すると免疫力が低下してしまいます。風邪などの感染症対策においても重要な栄養素です。
月齢ごとの1日の目安量は、以下の通りです。
月齢 |
たんぱく質の目安量 |
0~5か月 |
10g |
6~8か月 |
15g |
9~11か月 |
25g |
1食に食べられるしらすの量は、離乳期ごとに異なります。離乳期ごとに、それぞれのしらすの量に対するたんぱく質の量を確認しましょう。
離乳期 |
1食の使用目安量 |
しらすの重量 |
たんぱく質含有量 |
初期 |
小さじ1 |
5g |
0.9g |
中期 |
小さじ2 |
10g |
1.8g |
後期 |
小さじ3 |
15g |
2.6g |
しらすの栄養②カルシウム
カルシウムは骨や歯をつくる成分になり、神経や筋肉の働きを調整する役割があります。母乳のカルシウム吸収率は約60%ですが、乳児用調整粉乳は27~47%とやや低めなので、離乳食でカルシウムをコツコツとれると安心ですね。
月齢ごとのカルシウム1日の目安量は、以下の通りです。
月齢 |
カルシウムの目安量 |
0~5か月 |
200mg |
6~11か月 |
250mg |
離乳期ごとのしらすの量に対するカルシウムの量もチェックしましょう。
離乳期 |
1食の使用目安量 |
しらすの重量 |
カルシウム含有量 |
初期 |
小さじ1 |
5g |
9.5mg |
中期 |
小さじ2 |
10g |
19mg |
後期 |
小さじ3 |
15g |
28.5mg |
しらすの栄養③ビタミンD
カルシウムの吸収を助け、骨の成長を促す働きがあります。免疫を高める働きもあるため、感染症予防の観点からも積極的に摂れると良いですね。
母乳の赤ちゃんは、ビタミンD不足が国際的にも課題となっています。赤ちゃんだけでなく、母乳を与えるお母さん自身もビタミンDを補いましょう。日光を浴びることでビタミンDが皮膚で合成されるため、赤ちゃんとのお散歩を楽しむのも良いかもしれませんね。
1日の摂取量の目安は全ての月齢に共通して、5.0μg(マイクログラム)です。
月齢 |
ビタミンDの目安量 |
0~5か月 |
5.0μg |
6~8か月 |
5.0μg |
9~11か月 |
5.0μg |
1μgは、1gの100万分の1
離乳期ごとにしらすを食べられる量は異なるため、それぞれのしらすの量に対するビタミンDの量は以下の通りです。
離乳期 |
1食の使用目安量 |
しらすの重量 |
ビタミンD含有量 |
初期 |
小さじ1 |
5g |
0.2μg |
中期 |
小さじ2 |
10g |
0.4μg |
後期 |
小さじ3 |
15g |
0.6μg |
ビタミンDは、魚やきのこ類、卵黄に多く含まれます。離乳初期から取り入れることができるしらすからビタミンDを補給しましょう。
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離乳食で初めてしらすを取り入れる際のポイント
離乳食で初めてしらすを取り入れる際は、以下の2つを意識しましょう。赤ちゃんのからだを守るうえでも、大切なことばかりです。
- しらすを始めるタイミングは食べることに慣れてからがおすすめ
- しらすに混じっているカニやエビに注意しよう
1.しらすを始めるタイミングは食べることに慣れてからがおすすめ
離乳初期に10倍がゆや人参などの野菜に慣れた後、しらすを取り入れましょう。初めて使う時は、小さじ1程度のごく少量からスタートし、赤ちゃんの機嫌や体調、便の状態を確認しましょう。問題なければ、少しずつ量を増やしていきます。
初めてしらすを使うときは、体調の急変に対応できるよう、食事時間は病院を受診できる時間帯にすると安心です。
2.しらすに混じっているカニやエビに注意しよう
しらすには、小さいエビやカニなどの甲殻類が混ざっていることがあります。アレルギーを引き起こす可能性があるため、離乳食で使う場合は注意が必要です。
また、しらすは小さなエビやカニを餌にしているので、体内に残っているかもしれません。しらすの消化管を取り除くのは難しいため、甲殻類のアレルギーに心配がある場合は、医師に相談すると良いでしょう。
参照:アレルギー物質を含む食品に関する表示について|厚生労働省
離乳食のしらすは下処理をしてから調理しよう
しらすは、購入してそのままの状態で調理できません。すでに紹介したように、エビやカニが混入している場合があります。また、塩分が高いため、下処理が必要です。
ここでは、2つの下処理を紹介します。
- エビやカニを取り除く方法
- しらすの塩抜き
エビやカニを取り除く方法
大きめのバットや平らなお皿にしらすを広げると見つけやすいです。しらすといっても、広げてみると案外大きさや色が違っていますね!
目を凝らしてみると、小さいエビやカニなどのしらす以外の生き物が見つかりました。
この作業のときは、手洗いをはじめ、トレイなど食器類は煮沸消毒してから使いましょう。抵抗力の弱い赤ちゃんには、衛生面の配慮が大切です。
しらすの塩抜きをする
しらすには塩分が多く含まれています。そのまま与えると塩辛すぎて赤ちゃんには食べづらく、塩分の撮りすぎにも繋がります。離乳食では塩抜きをしてから使いましょう。
しらすの塩抜き 1.茶こしにしらすを入れる 2.熱湯を注いで2~3分ほど、湯通しをする |
量が多いようであれば、小鍋で1分ほどゆでてから、調理してください。
離乳期(初期・中期・後期)ごとのしらすレシピ全5品を紹介!
離乳期を初期、中期、後期に区分して、それぞれの基本の調理法と目安、応用編となるおすすめのレシピを紹介します。
- 離乳初期(5~6か月)のしらすの基本的な調理法と目安量
- 離乳中期(7~8か月)のしらすの基本的な調理法と目安量
- 離乳後期(9~11か月)のしらすの基本的な調理法と目安量
- 離乳初期のおすすめレシピ1品
- 離乳中期のおすすめレシピ2品
- 離乳後期のおすすめレシピ2品
離乳初期(5~6か月)のしらすの基本的な調理法と目安量
離乳初期は、しらすをすり鉢などでなめらかなペースト状にします。赤ちゃんが、ごっくんと飲み込みやすくしてあげましょう。
目安としては、小さじ1(5g)から始めましょう。
離乳中期(7~8か月)のしらすの調理法と目安量
包丁などで細かくみじん切りにします。舌をあごに押し付けてつぶすようにして食べる時期なので、細かく切ってあげると食べやすいですね。
離乳後期(9~11か月)のしらすの調理法と目安量
しらすを包丁やキッチンバサミで粗く刻みましょう。歯ぐきでつぶして食べるので、味わう時間が少しずつ長くなってきます。
この時期の目安としては、大さじ1(15g)です。長い時間をかけて、離乳初期の3倍まで増やしましょう。
離乳初期におすすめのしらすレシピ
基本の調理をアレンジしたレシピです。ペースト状のしらすに、野菜を組み合わせるとレパートリーが広がりますよ。野菜は、アレルギーになるものが少ないので安心です。離乳初期におすすめのしらすを使ったおかゆを紹介します。
離乳初期のおすすめレシピ①しらすと人参のおかゆ
しらすペーストを使った、1食で主食・主菜・副菜が摂れるオールインワンメニューです。
人参は大きめの状態で加熱することで、甘さが増しておいしく仕上がります。人参をおかゆに混ぜて、上にしらすをトッピングするのも色がきれいに仕上がっておすすめです。
材料(1食分)
- 10倍がゆ 小さじ3~5
- しらすペースト 小さじ1
- 人参 上部を5mmほど輪切りにした量
作り方
- 人参の皮をむく。
- 1と水大さじを耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する。
(600Wで1分) - 2をすり鉢に入れ、容器に残った汁を加えながらペースト状になるまですりつぶす。
- 10倍がゆに3としらすペーストを盛り付ける。
離乳中期におすすめのしらすレシピ2品
離乳食中期は、食べることに慣れてきますから、利用できる素材の種類も豊富になってきます。今までポタージュ状だった離乳食から、おかゆなら7~5倍程度で、もぐもぐする練習を意識したメニューを取り入れましょう。
ここでは、以下の2品を紹介します。
- 離乳中期のおすすめレシピ①しらすとなすのだし煮
- 離乳中期のおすすめレシピ②しらすととろろ昆布のお手軽すまし汁
離乳中期のおすすめレシピ①しらすとなすのだし煮
なすがだしの旨みをたっぷり吸い、しらすはふっくら仕上がります。初夏から秋にかけて、なすが旬の時期に楽しみたいですね。まとめて調理してストックしておいて、とろみをつけたり、おかゆに混ぜたりして組み合わせを工夫して、赤ちゃんが飽きない献立にしましょう。
材料(1食分)
- しらす 小さじ2
- なす 1/4本(約25g)
- だし汁 150cc
作り方
- しらすは塩抜きし、細かくみじん切りにする。
- なすは皮をむき、みじん切りにしたものを水にさらしてあく抜きする。
- 鍋に入れただし汁を沸騰させ、1と2を加えて中火で加熱する。
- なすが透き通り、やわらかくなったら完成。
離乳中期のおすすめレシピ②しらすととろろ昆布のお手軽すまし汁
思い立ったらすぐにできるお手軽レシピです。だし汁がなくても、お湯を加えるだけで作ることができます。とろろ昆布の旨みと程よいとろみでおいしさはばっちりの一品です。大人にはしょう油や塩で味付けして、家族で同じ献立にするのも楽しいでしょう。
材料(1食分)
- しらす 小さじ2
- とろろ昆布 小さじ1
- かつお節 小さじ1
- お湯 80cc
作り方
- しらすは塩抜きし、細かくみじん切りにする。
- とろろ昆布は細かくちぎる。
- 汁椀に1と2とかつお節を入れ、お湯を注いで軽く混ぜる。
離乳後期のおすすめレシピ2品
離乳食後期は、食への意欲が高まる時期です。赤ちゃんが、手づかみでも食べやすいレシピを取り入れましょう。手づかみで食べることで、自分の一口量を覚えていきます。上手に食べられないので、詰め込みすぎたり、こぼしたりすることもありますが、見守ってあげてくださいね。
ここでは、以下の2品を紹介します。
- 離乳後期のおすすめレシピ①しらすとじゃがいもの青のりバターおやき
- 離乳後期のおすすめレシピ②しらすと野菜のあんかけ丼
離乳後期のおすすめレシピ①しらすとじゃがいもの青のりバターおやき
おやきは、離乳後期にぜひ取り組みたい「手づかみ食べ」にぴったりなメニューです。青のりとバターの香りが食欲をそそります。焼き目を強くつけると硬くなってしまうので、ほんのり焼き色がつく程度にとどめることがポイントです。固さは、つなぎ(片栗粉)を調整して肉団子ぐらいにしましょう。
材料(8個分)
- じゃがいも 1個
- しらす 大さじ2
- 豆乳 大さじ1
- 片栗粉 小さじ1
- 青のり 小さじ1/2
- バター 5g
作り方
- ジャガイモは皮をむき、4等分に切って水にさらす。
- 耐熱容器に1と水を少し入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する。
(600Wで6分。) - しらすは塩抜きし、粗めのみじん切りにする。
- 2はマッシャーなどでつぶし、豆乳、片栗粉、しらす、青のりを加えて混ぜる。
- 4を小判型に成形する。
- 熱したフライパンにバターをひいて、弱火で両面を焼く。
離乳後期のおすすめレシピ②しらすと野菜のあんかけ丼
程よいとろみのついたあんかけは食べやすく、離乳後期の大きさにカットした食材に慣れるのにぴったりです。フリージングしておいた食材を使うと、より簡単に作ることができます。
あんかけ丼には、軟飯を使います。軟飯とは、おかゆよりご飯に近く、普通飯に比べて水分の多いご飯です。ややべったりとしています。離乳後期は、こうした軟飯にチャレンジするときです。ぜひ、試してみてください。
材料(1食分)
- 軟飯 80g程度(米1:水2)
- しらす 大さじ1
- いんげん 2本
- 人参 約20g(上部を1cmほど輪切りにした量が目安)
- だし汁 30cc
- 片栗粉 小さじ1/2
作り方
- しらすは塩抜きし、粗めのみじん切りにする。
- いんげんは筋を取り、人参は皮を剥く。
- 2を水大さじ1とともに耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけて電子レンジで加熱する。
(600Wで1分30秒) - 3を粗めのみじん切りにする。
- 深めの耐熱容器に軟飯以外の材料を全て入れてよく混ぜ、蓋をせずに電子レンジで加熱する。
(600Wで30秒)
全体を混ぜ、さらに30秒加熱する。 - 器に軟飯を盛り、5をかけたら完成。
離乳食の段階に合わせて栄養豊富なしらすを取り入れよう
しらすは、手軽に取り入れられるだけでなく、体づくりの土台になる栄養素を含み、免疫力アップに期待できます。離乳初期から使える食材の中でも、ビタミンDを多く含む食材の代表です。
離乳食の段階に合わせて、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養豊富なしらすを取り入れてみてください。
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