市役所・区役所への申請が不要で、施設へ直接連絡して申し込める——福岡市の産後ケアは、他の多くの自治体と大きく異なるこの仕組みが際立っています。手続きのわかりにくさで使いそびれることが全国的に多く、産後ケアを案内された方のうち実際に利用したのは33.9%にとどまっており、利用しなかった最大の理由は「利用の仕方がよくわからなかった」でした(BABY JOB株式会社・2024年、全国保護者1,181名対象)。
宿泊型の料金は1泊2日6,000円(課税世帯)で、非課税世帯と生活保護世帯はすべてのタイプを無料で利用できます。妊娠中から施設への問い合わせや見学が勧められており、産前から準備できる体制が整っています。プルモ編集部で制度を調べてまとめたので、参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 宿泊型(ショートステイ)・日帰り型(デイケア)・訪問型(アウトリーチ)の3タイプ、合計7日間まで利用できる
- 課税世帯の料金は宿泊型1日3,000円(1泊2日6,000円)・日帰り型2,000円/日・訪問型500円/回
- 非課税世帯・生活保護世帯は全タイプ無料
- 市役所・区役所への申請が不要。施設に直接連絡→申込書提出→施設が「利用証明書」を発行する流れ
- 妊娠中から施設への問い合わせ・見学を推奨。産前から情報収集しておくのが安心
福岡市の産後ケア、まず全体像を知っておこう
福岡市の産後ケア事業は「宿泊型(ショートステイ)」「日帰り型(デイケア)」「訪問型(アウトリーチ)」の3タイプで構成されています。3タイプ合計で7日間が上限で、タイプを自由に組み合わせて使えます。福岡市最大の特徴は申請フロー。他都市のように役所に申請書を出して承認通知を待つ必要がなく、施設へ直接連絡して利用申込書を提出するだけで、施設が「利用証明書」を発行してくれます。
| 種類 | どんなもの? | 食事 | 利用上限 | 申請先 |
|---|---|---|---|---|
| 宿泊型(ショートステイ) | 施設に宿泊してケアを受ける | 3食(初日・最終日は2食) | 3タイプ合計7日間まで | 施設へ直接申し込む (役所申請不要) |
| 日帰り型(デイケア) | 施設に日帰りで通う | 昼食つき | ||
| 訪問型(アウトリーチ) | 助産師が自宅を訪問してケアしてくれる(2〜3時間) | なし |
料金
| 種類 | 課税世帯(1日) | 非課税世帯 | 生活保護世帯 |
|---|---|---|---|
| 宿泊型(1泊2日) | 3,000円/日(1泊2日6,000円) | 無料 | 無料 |
| 日帰り型 | 2,000円/日 | ||
| 訪問型 | 500円/回 |
実施施設一覧
宿泊型・日帰り型の両方に対応している施設
| 施設名 | 住所 | 電話番号 |
|---|---|---|
| 真田産婦人科麻酔科クリニック(産後ケアセンター マリィのおうち) | 東区千早6-6-16 | 092-681-0178 |
| 森下産婦人科医院 | 博多区店屋町8-10 | 092-291-0328 |
| 竹内産婦人科クリニック | 早良区野芥7-1-30 | 092-864-8080 |
| 福岡山王病院(令和7年9月開始) | 早良区百道浜3-6-45 | 092-832-1100 |
| 池田功産婦人科医院 | 西区野方1-2-25 | 092-811-7778 |
| 産婦人科筑紫クリニック(令和7年6月開始・市外) | 糟屋郡志免町志免中央3-1-30 | 092-936-3939 |
| 権丈産婦人科医院(令和7年6月開始・市外) | 糟屋郡志免町志免3-2-14 | 092-935-0505 |
| 城野産婦人科クリニック(令和7年11月開始・市外) | 春日市一の谷1-8-1 | 092-584-1103 |
| 馬渡産婦人科医院(令和8年1月開始・市外) | 糸島市前原西2-13-1 | 092-322-2198 |
日帰り型・訪問型のみ対応している主な施設
| 施設名 | 住所 | 電話番号 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 青葉レディースクリニック | 東区若宮5-18-21 | 092-663-8103 | 院内出産の方は宿泊型も可 |
| 福岡市立こども病院(令和8年3月開始) | 東区香椎照葉5-1-1 | 092-692-3654 | 日帰り型のみ |
| 産後ケア ありすの家(令和7年9月開始) | 東区箱崎2-12-20 | 詳細は施設HPへ | 日帰り型・訪問型 |
福岡市と近隣市を比べてみると
同じ福岡県内でも、産後ケアの制度内容は市によって異なります。申請フローの違いを含め、宿泊型を中心に比べてみました。
| 市 | 宿泊の上限 | 課税世帯の負担(1泊2日) | 非課税世帯 | 申請の特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 福岡市 | 3タイプ合計7日間 | 6,000円(3,000円/日×2) | 無料 | 施設へ直接申し込み(役所申請不要) |
| 北九州市 | 3タイプ合計7日間 | 確認中(施設によって異なる) | 無料 | 施設へ直接連絡→申請書提出 |
| 久留米市 | 確認中 | 確認中 | 確認中 | 確認中 |
福岡市・北九州市はともに施設直接申し込みの仕組みを採用しており、役所での手続きが不要という点で利用しやすい設計です。福岡市の1泊2日6,000円は近隣他都市と比べると中程度の設定です。北九州市は自己負担額が施設によって異なるため、希望施設に直接確認するのがおすすめです。
申請の流れをステップで確認しよう
福岡市の産後ケアは、他都市のような「役所へ申請→承認通知書を待つ→施設予約」という2段階の流れではなく、施設に直接連絡するだけで使い始められるシンプルな仕組みです。
申請自体は出産後からですが、妊娠中から施設への問い合わせや見学が推奨されています。どの施設が自宅から通いやすいか、他院出産でも受け入れてもらえるかなどを産前に確認しておくと、産後にすぐ動けます。
出産後、利用したい施設へ直接電話・メール等で連絡し、利用や日程調整を相談します。施設の空き状況によっては希望日に利用できない場合もあるので、早めに連絡しましょう。
利用申込書を記入して希望施設へ提出します。非課税・生活保護世帯の方は証明書類を添えて提出してください。
申込書をもとに、施設が「福岡市産後ケア事業利用証明書」を発行します。この証明書は1回の出産につき1枚で、複数施設での利用にも使えます。
利用当日は必ず証明書と母子健康手帳を持参してください。自己負担額は施設に直接お支払いします。
使う前に知っておきたいこと
妊娠中から施設に目星をつけておくのが鉄則
福岡市は役所への申請が不要なぶん、産後に「どの施設が空いているか」「自分の状況に合うか」を考える余裕は産後にはほぼありません。妊娠中に気になる施設へ問い合わせるか、見学を申し込んでおくと、いざというときにスムーズに動けます。
証明書は絶対になくさない
施設が発行する「利用証明書」は1回の出産につき1枚しか発行されません。なくしてしまうと再発行が難しい場合があるため、届いたらすぐスマートフォンで写真を撮っておきましょう。当日は原本を必ず持参してください。
キャンセルは前々日の17時までに施設へ
利用日の前々日17時までに連絡がない場合はキャンセル料が発生します。スケジュールの変更が生じたら早めに施設へ連絡しましょう。
市外施設も選択肢に入れてみよう
糟屋郡志免町・春日市・糸島市など市外の施設も福岡市の産後ケア事業の対象です。市内の施設が混んでいるときや、自宅から近い市外施設がある場合は積極的に選択肢に入れてみてください。
3タイプを組み合わせるのがいちばん賢い使い方
退院直後は宿泊型でしっかり体を回復させ、少し体力が戻ったら日帰り型で授乳の相談をして、外出が難しいときは訪問型を活用する——この組み合わせが福岡市の制度を最大限に活かす方法です。7日間という上限の中でどう使うか、妊娠中から家族と相談しておくとスムーズです。
参考・出典
ふくおか子ども情報「産後ケア事業のご案内」(2026年4月更新)
福岡市公式ウェブサイト「福岡市産後ケア事業のご案内」
BABY JOB株式会社「産後ケア事業に関するアンケート調査」(2024年2月・全国保護者1,181名対象)
北九州市公式ウェブサイト「産後のお母さんを支援します(産後ケア事業)」(比較データ参照)
制度の内容・施設情報・料金は変更になることがあります。最新情報は必ず各公式HPでご確認ください。
お問い合わせ:福岡市こども未来局こども健やか部こども健やか課
