堺市で保活を進めていると、こんな疑問がわいてきませんか。
「堺市は何点で決まるの?」
「空き状況リストはどう読めばいいの?」
「希望している園に空きがゼロと書いてあるけど、申し込めないの?」
堺市の保育施設等の利用調整は、優先項目・基準項目・加点項目を組み合わせた点数制です。ただし、園別の最低点数や内定ボーダーは確認できないため、「何点なら入れる」という基準はわかりません。入りやすさを考える材料になるのは、堺市が公表している空き状況(新規利用可能予定数)です。
この記事では、堺市公式の利用調整基準と、令和8年度の空き状況をPULMOが整理し、希望園の広げ方をまとめました。これから保活を始めるご家庭の参考になればうれしいです。
この記事でわかること
- 堺市の利用調整のしくみ:優先項目・基準項目・加点項目の3層構造
- フルタイム共働きの場合の標準的な点数の目安(合否ラインではない)
- 育休延長を許容すると意思表示した場合は「優先しない」になる重要ルール
- 地域型保育卒園児が連携施設を希望する場合の優先ルール
- 空き状況(新規利用可能予定数)の読み方と、希望園を広げる考え方
- 状況別にどう動けばよいかの整理
データについて:本記事は、堺市公式の「堺市保育施設等利用調整基準」(令和7年10月1日施行・令和8年4月1日入所から適用)、令和8年4月空き状況(令和8年2月20日時点)、令和8年7月空き状況(令和8年6月1日時点)をもとにPULMOが整理したものです。空き状況は毎月変動します。新規利用可能予定数は入所を保証するものではありません。園別の最低点数・内定ボーダーは確認できないため、本記事では作成していません。最新情報は必ず堺市公式サイト(保育施設等の利用調整)および各区役所子育て支援課でご確認ください。
まず知っておきたい:堺市の保活の実態
堺市は大阪府南部に位置する政令指定都市で、堺区・中区・東区・西区・南区・北区・美原区の7区で構成されています。大阪市方面へ通勤しやすいエリアもあり、保育施設を探す家庭も多い都市です。
希望が集まりやすい年齢・エリアの傾向
堺市は園別の最低点数や倍率を公表していないため、「ここが激戦」と断定できる公式データはありません。一般的な傾向として、0〜2歳の低年齢クラスは希望が集まりやすい傾向があります。育休明けの復職タイミングと重なるためで、堺市に限った話ではありません。大阪市への通勤しやすい駅周辺のエリアも希望が集まりやすい傾向があります。実際の入りやすさは、後述する空き状況で確認するのが確実です。
「空きがあっても入所を保証しない」が前提
堺市の空き状況リストには、次のような注意書きが添えられています。読み始める前に押さえておきたい前提です。
「各保育施設の空き状況は、利用決定者の辞退や園の状況(保育士の配置など)により変動します。また、現在お申し込みが大変多いため、空きがあっても入所を保証するものではありません。」「空き状況がゼロの保育施設も申込可能です。辞退などにより空きが生じ、利用調整を行う可能性があります。」(堺市空き状況リスト注記より引用)
つまり、新規利用可能予定数は「受入見込みと現状を確認するための数字」であって、入所の確約ではありません。また、空き状況がゼロと表示されていても申込みはできます。辞退等により空きが生じた場合、利用調整の対象になる可能性があります。
堺市の点数のしくみ
堺市の利用調整は、次の3つの層で構成されています。点数の前に「優先項目」があり、優先項目に該当する家庭はほかの申込者より先に調整が行われます。
- 優先項目……ひとり親家庭・生活保護家庭・DV等の特別な配慮が必要な家庭などが該当。他に優先して利用調整が行われる
- 基準項目(採点)……父母それぞれの就労・疾病・介護などの状況を点数化し合算する
- 加点項目……きょうだい在籍・育休復帰・産休産後・卒園児など、世帯や児童の状況に応じて基準点に加算する
受入可能数を超える申込みがあった場合に、基準点+加点の合計が高い順に利用を決定します。
基準項目:父母それぞれを採点して合算する
基準項目は父母それぞれの状況を別々に採点し、その合計を利用します。就労の場合の主な採点基準は以下のとおりです(月64時間以上の就労が要件)。
| 就労状況(1人あたり) | 基準点 |
|---|---|
| 月160時間以上 | 20点 |
| 月140時間以上160時間未満 | 18点 |
| 月120時間以上140時間未満 | 16点 |
| 月100時間以上120時間未満 | 14点 |
| 月80時間以上100時間未満 | 12点 |
| 月64時間以上80時間未満 | 10点 |
| 求職活動中 | 4点 |
就労以外にも、疾病・障害・介護看護・妊娠出産・就学・育休中継続など、事由ごとに別の採点基準があります。詳細は堺市公式の利用調整基準表(別表第1)でご確認ください。
フルタイム共働きの場合の標準的な目安
月160時間以上就労のフルタイム共働きの場合、父母それぞれ20点となり、基準点の合計は20+20=40点が標準的な目安です。ここに後述する加点項目が加算されて最終的な点数が決まります。
ただし、この40点はあくまで点数計算の目安です。同じ点数の申込者が同じ施設に集まれば、その中でさらに加点状況や同点時の優先段階で順位がつきます。「40点なら入れる」という合否ラインや内定ボーダーではありません。
加点項目(主なもの)と上限20点
加点項目は世帯・児童の状況に応じて基準点に加算します。加点項目の合計は最大20点が上限です(複数該当しても合計20点を超える場合は20点として扱われます)。主な加点項目は以下のとおりです。
| 状況 | 加点 |
|---|---|
| 市内保育施設等を中途卒園した場合(卒園後1年間有効) | 10点 |
| きょうだいが在籍している施設等を新規申込みする場合 | 4点 |
| きょうだいが異なる施設に在籍のため転所希望の場合 | 4点 |
| 育児休業から利用開始月中に復職予定(未利用の場合) | 2点 |
| 育休で退所した上の子のきょうだいと同時申込みの場合 | 6点 |
| 申込児童が多胎児の場合(双子3点、以降1人増えるごと+1点) | 3点〜 |
| 保育要件を理由として月64時間以上認可外等を利用中の場合 | 3点 |
| 保護者が市内の保育施設等で保育士等として勤務している場合 | 2点 |
| 前年度当初から待機中(年度内に辞退した場合を除く) | 2点 |
加点項目は全体の合計が20点を超えても20点とされます。加点の全項目は公式の利用調整基準(別表第2)でご確認ください。
同点時の優先段階
基準点+加点が同点になった場合は、次の順で優先度が決まります。
- 基準項目の点数が高い世帯
- 類型間の優先順(災害復旧→不存在等→疾病・障害→就労→就労内定→介護・看護→妊娠出産→就学→育休→求職の順)
- 希望施設の希望順位が高いもの
- 市町村民税所得割額が低い世帯
- 世帯の合計課税収入金額が低い世帯
- 保留期間が長い世帯
同点時の第3段階として「希望順位が高い方を優先する」点は、希望園の記入順が選考に影響しうることを意味します。最も入りたい施設を第1希望に記入するのが基本です。
堺市独自の重要ルール
① 育休延長を許容すると意思表示した場合は「優先しない」
堺市の利用調整基準(第12条)には、次のルールがあります。
「申込み時において、希望する保育施設等を利用できない場合に、育児休業の延長を許容すると意思表示した場合は優先しない。」(堺市保育施設等利用調整基準 第12条より)
つまり、育休延長を許容すると意思表示した場合は、優先項目や基準点の高さにかかわらず、優先しない扱いになります。
申込前に、次の点を世帯でよく話し合っておくことが重要です。
- 今回どうしても入園したい場合 → 育休延長許容の意思表示はしない。通常の利用調整を受ける
- 入れなければ育休延長も視野に入れられる場合 → 意思表示の有無と育休延長手続き(勤務先・ハローワークでの確認が必要)をあわせて確認してから判断する
どちらを選ぶかで保活の組み立てが大きく変わります。申込手続きの詳細は各区役所子育て支援課でご確認ください。
② 地域型保育卒園児が連携施設を希望する場合は優先
地域型保育事業(小規模保育・家庭的保育・事業所内保育の地域枠など)を卒園した児童が、連携施設の利用を希望する場合は優先して利用調整が行われます(本基準により利用調整を受けて利用していた児童に限る)。
0〜2歳のうちに地域型保育なども含めて検討する材料になります。ただし、連携施設への申込みが受入可能数を超える場合は通常の利用調整が適用されます。
③ ひとり親・生活保護・DV等は「優先項目」として別枠
ひとり親家庭・生活保護家庭(就労による自立が見込まれる場合)・DV等の特別な配慮が必要な家庭は、点数の高低にかかわらず「優先項目」として別枠で扱われます。また、ひとり親家庭が優先項目に該当する場合は、さらに基準点が20点加算されます。該当すると思われる場合は、必要書類とあわせて各区役所子育て支援課に相談してください。
④ 大規模マンション居住者への優先ルール
堺市が保育施設の整備を要請した大規模マンションに居住する児童が、当該要請に応じて整備された保育施設の利用を希望する場合、開設から5年を経過する日の月初の利用調整まで優先して扱われます。新規分譲マンション入居時に確認しておきたいルールです。
空き状況から見る希望園の広げ方
堺市では園別の最低点数や内定ボーダーが確認できないため、入りやすさを考える材料は、毎月公表される空き状況(新規利用可能予定数)になります。7区ごとに施設別・クラス年齢別の人数が掲載されており、希望園を広げる出発点として使えます。
空き状況リストの読み方
| 項目 | 見方 |
|---|---|
| 新規利用可能予定数(人) | 基準日時点の受入見込み。辞退・保育士配置等により変動する。入所を保証する数字ではない |
| 空き状況ゼロ | 申込みは可能。辞退等により空きが生じた場合に利用調整の対象になる |
| 基準日 | 4月分は2月20日時点、7月分は6月1日時点など。以降は変動する |
| 施設種別 | 幼保認・幼稚認・保育認・保育所・小規模・家庭的・事業所内の別が記載されている |
施設種別を広げて見る
堺市の空き状況リストには、認可保育所のほか次の施設も掲載されています。種別を広げると候補が増えます。
- 幼保連携型認定こども園(幼保認)
- 幼稚園型認定こども園(幼稚認)
- 保育所型認定こども園(保育認)
- 小規模保育事業所
- 家庭的保育
- 事業所内保育事業所
とくに0〜2歳を希望する場合、小規模保育や家庭的保育まで含めて新規利用可能予定数を確認すると、選択肢が広がることがあります。
4月と7月の空き状況を見比べる
今回確認できた令和8年4月(2月20日時点)と令和8年7月(6月1日時点)の2時点の空き状況リストを見比べると、同じ施設でも数値が変わっている園が多く見られます。これは辞退・退園・保育士配置の変化など、現場の実態を反映した結果です。空き状況は固定された数字ではなく、随時動くものとして見るのが前提です。
区・年齢別に見比べて候補を広げる
同じ堺市でも、区や年齢クラスによって新規利用可能予定数の出方は異なります。添付の空き状況リストを見ると、0〜2歳クラスでは空きが少なく表示される施設が多い一方、3歳以上クラスでは比較的空きが出やすい傾向が見られます。お住まいや通勤の都合で候補になり得る区を複数確認し、年齢クラスごとに見比べると、現実的な選択肢が見えてきます。第1〜第3希望だけでなく、通園可能な範囲の施設を一通りリストで確認しておくことで、選考の対象が広がります。
データから読み取れる傾向
年齢別の傾向
今回確認した令和8年4月・7月の空き状況リストでは、3歳以上クラスに新規利用可能予定数が見られる施設もあります。ただし、空き状況は変動するため、直近のリストで確認してください。
区別の傾向
堺市は7区それぞれに施設数・施設種別の構成が異なります。堺区・北区は施設数が多く選択肢が広い一方、美原区は施設数が少なく候補が限られます。南区は泉北ニュータウンを中心に幼稚園型認定こども園が多く分布しており、保育部分の空き状況は各施設の認定こども園部分で確認が必要です。通勤ルートや居住エリアに合わせて、複数の区・施設種別を組み合わせて確認するのが現実的です。
受入見込みがあっても内定は保証されない
新規利用可能予定数が表示されていても、申込みが集中すれば点数の高い順に選考が行われます。受入見込みは「申し込む価値があるかの目安」であって、入所の確約ではありません。希望施設を1〜2か所に絞り込みすぎず、通園可能な範囲で複数の選択肢を確保しておくことが大切です。
状況別:どう動く?
| 状況 | 動き方のポイント |
|---|---|
| フルタイム共働き | 基準点は20+20=40点が標準目安。点数だけに頼らず、空き状況で区・施設種別を広げて候補を確認する |
| 育休明け復職予定 | 復職は加点対象(2〜6点、状況による)。育休延長を許容するかどうかを事前に世帯で話し合う |
| きょうだいが在籍中 | 同一施設希望は加点4点。同施設に空きがない場合でも申込みは可能なため、空き状況ゼロでも申し込める |
| 認可外を利用中 | 月64時間以上利用中は加点3点の可能性あり(育休中の利用・親族委託は除く)。認可の空き状況と並行して費用・距離を比較する |
| 時短勤務 | 月の就労時間でクラスが変わる。自分の就労時間が何時間になるか確認し、基準点を把握しておく |
| 求職活動中 | 基準点は4点と低め。就労が決まり次第、速やかに状況変更を届け出る |
| 市外から転入予定 | 転入に伴う申込みは加点3点の可能性あり(認可施設利用中の場合)。転入先の区の子育て支援課に申込方法・必要書類・時期を早めに確認 |
| 希望施設が少ない家庭 | 施設種別(小規模・家庭的保育等)やエリアを広げ、空き状況リストで通園可能な範囲の施設を一通り確認して候補を増やす |
| 1歳クラスを希望 | 希望が集まりやすい年齢。小規模保育も含め、複数区の空き状況を見比べて選択肢を広げる |
落ちたとき(利用保留)にやること
- 利用保留通知の内容を確認する
- 次回の利用調整に向けて、希望施設を区・施設種別の両面で見直す
- 小規模保育・家庭的保育・認可外保育施設も並行して検討する
- 各区役所子育て支援課に、申込方法・必要書類・希望施設の見直し方を相談する
- 翌月の空き状況が公開されたら確認し、候補を更新する
堺市の利用調整は毎月前月10日(閉庁日の場合は前開庁日)までの申込みを対象に、毎月25日までに判定会議が開かれます。希望施設の追加・変更の締切に合わせて、早めに動くことが大切です。
よくある質問
Q. フルタイム共働きなら何点になりますか?
月160時間以上就労の場合、父母それぞれ20点となり、基準点の合計は40点が標準的な目安です。ただしこれは点数計算の目安であり、合否ラインや内定ボーダーではありません。同じ点数の申込者が集まれば加点状況や同点時の優先段階で順位がつきます。
Q. きょうだいがいると有利ですか?
きょうだいがすでに在籍している施設を希望する場合は加点4点が適用されます。同じ点数帯の中での優先順位で有利に働く可能性がありますが、加点の上限は全体で20点のため、複数の加点が重なる場合は合計が20点を超えないことに注意してください。
Q. 空き状況がゼロの施設には申込めませんか?
申込みはできます。堺市の公式案内でも「空き状況がゼロの保育施設も申込可能です。辞退などにより空きが生じ、利用調整を行う可能性があります」と明記されています。空きゼロでも申し込んでおくことで、その後の変動に備えられます。
Q. 育休延長許容の意思表示はした方がいいですか?
意思表示をした場合は、優先項目や基準点の高さにかかわらず「優先しない」扱いになります。今回どうしても入園したい場合は意思表示をしないのが基本です。育休延長も視野に入れられる場合は、勤務先やハローワークで必要な手続きとあわせて確認し、判断してください。
Q. 空き状況はいつ確認すればよいですか?
空き状況リストは申込締切に合わせて更新されますが、その後も辞退等で変動します。希望する月の前月10日(締切)に合わせて、直近のリストを確認するのが基本です。各区役所子育て支援課の窓口でも最新情報を確認できます。
Q. 落ちた場合、次に何をすればよいですか?
利用保留通知を確認し、希望施設を施設種別・エリアの両面で見直しましょう。小規模保育や認可外も並行して検討し、翌月の空き状況を確認して候補を更新します。各区役所子育て支援課に申込方法や希望施設の見直し方を相談するとよいでしょう。
まとめ
堺市の保育施設等の利用調整は、優先項目・基準項目・加点項目の3層構造で優先度が決まります。フルタイム共働きの基準点合計は40点が標準的な目安ですが、これは合否ラインや内定ボーダーではありません。
育休延長を許容すると意思表示した場合は、優先項目や点数の高さにかかわらず「優先しない」扱いになる点は、申込前に必ず確認しておきたい独自ルールです。また、地域型保育卒園児が連携施設を希望する場合は優先して扱われるため、0〜2歳の保活の選択肢として地域型保育も検討する材料になります。
園別の最低点数や内定ボーダーは確認できないため、入りやすさを考える材料は空き状況(新規利用可能予定数)になります。空きゼロでも申込みは可能で、辞退等により空きが生じた場合は利用調整の対象になります。区・年齢・施設種別を広げて空き状況を見比べ、希望施設に幅を持たせることが、堺市の保活を前に進める鍵になります。
最新の空き状況や利用調整基準は、必ず堺市公式サイト(保育施設等の利用調整)でご確認ください。困ったときは、希望する施設が所在する区の子育て支援課に、申込方法・必要書類・希望施設の見直し方を相談してみてください。
