こんにちは、PULMO運営事務局です。私たちは母として日々頑張る女性たちが、より生き生きと暮らせる世の中を目指し、オンラインでさまざまなセミナーやイベントを開催しています。
今回紹介するイベントは、まだ言葉を話せない赤ちゃんとそのママがコミュニケーションを取る方法として注目を集めている「ファーストサイン」。サインを通じて赤ちゃんとの意思疎通を図ることで、親子の絆が一層深まりますよ。
PULMOにもお問い合わせをいただくことも多いこのファーストサインを、一人でも多くのママに知ってもらいたい!ということで、今回オンラインでの体験会を開催しました。
今回の講師は、親子でこころを育む教室「chocotto」の主宰・佐野奈々先生。ご自身の育児経験談を交えながら、ファーストサインの大切さを語ってくれました。そのときの様子をレポートしていきます!
「わが子の気持ちがわかる!ファーストサイン体験会」概要 |
また、今回のファーストサイン体験会の詳細はこちらからチェックしてみてください。
講師プロフィール 氏名:佐野 奈々 |
ファーストサインはお互いの気持ちを理解するためのもの
自己紹介を終えた佐野先生は、まずご自身がファーストサインを学び始めたきっかけを話してくれました。元看護師である先生は、赤ちゃんや産後のホルモンバランスのことを理解していたつもりでしたが、いざ自分が出産して育児が始まると、思い通りにいかないことの連続にイライラする機会が多かったのだそう。
でも、第二子の娘さんの誕生をきっかけに、親子コミュニケーションのファーストサインを知り、学び始めるなかで「自分自身の気持ちを大切にすることの大切さ」に気づいたそうです。
佐野奈々(以下、佐野)「赤ちゃんが一番興味を持っていて、大好きなのはママで、いつだって自分の気持ちを伝えたいと思っているものなんです。そんな赤ちゃんの気持ちを知りたいと思うこと自体が、もう素晴らしいことだと私は思っています」
続けて先生は、ファーストサインに出会ってからの自分の変化について語ります。
佐野「赤ちゃんのときには、「取言葉が分からないから仕方がない」「自分が我慢すればいいんだ」と思うようにしていました。でも、それだとやっぱりイライラが募ってしまうんですね。子どもにも自分にもイライラしてしまう、そんな状態が4年くらい続いていました。
それも娘の出産をきっかけにファーストサインを知り、学んでいくなかで、自分が子どもの気持ちをどうにか理解しようとしていたことに気づいたんです。でも、そうじゃなかったんです。親子といえども、それぞれは別の人間で、それぞれの気持ちがあります。そのことを理解して、子どもの気持ちを知るだけでなく「自分の気持ちを伝えていく」双方向のコミュニケーションを取るうちに、対等に接することができるようになったと感じています」
先生のおっしゃる通り、育児は思い通りにいかないことの連続で、イライラしたり、落ち込んだりすることも多いですよね。沈みがちだった先生の気持ちや考え方を大きく変えてくれたファーストサインが、ますます気になってきました!
ファーストサインは表情・声・ジェスチャーの3つ
続いて先生は、ファーストサインの基本的な方法についてお話してくれました。
佐野「ファーストサインでは、表情で伝える「フェイスサイン」、声のトーンや抑揚で伝える「ボイスサイン」、そしてジェスチャーで伝える「手のサイン」の3つがあります。これらを使ってコミュニケーションを取ります。
私は娘が生後8カ月の頃、ベビーマッサージをしていて終わったタイミングで、娘が「もっと」というサインを声、表情、体の動きを使って私に一生懸命伝えてくれたのです。「ああ、もっとマッサージして欲しかったんだね。伝えてくれてありがとう。」と、気持ちを伝え合えたことがとってもうれしかったのです」
確かにサインって、いろんな出し方がありますよね。なんとなく手を使うイメージがあったのですが、他の方法も合わせてやってみるのが大切だとわかりました。
体験会のゴールは「聞いて・見て・やってみる」
わかりやすく、今回のファーストサイン体験会のゴールを設定してくれた先生。まず、あまり聞きなじみのない「マザーリーズ」について教えてくれました。
佐野「マザーリーズとは、抑揚のある高めの声で優しい話し方をすることです。これを意識すると、赤ちゃんは気持ちよく感じられると言われています。イライラすると、どうしても口調がきつくなってしまいますよね。そんなときには一回深呼吸して話しかけてみると、こちらのお願いを聞いてもらいやすくなりますよ。声も武器になるんです。
あと、このマザーリーズは産後うつやネグレクト対策にもなると言われています。経験された方のなかには「自分の声に癒やされた」という方もいらっしゃるほどです」
確かに、大声や金切り声は出された方だけでなく、出す方も疲れさせてしまうものですよね。今すぐにこのマザーリーズを実践してみたい気持ちになりました!
目が合えば心も通じ合う
佐野「声だけでなくて、目を合わせることもとっても大切です。これは赤ちゃんとだけでなく、他の家族や友達に対しても同じです。赤ちゃんの視界はとても弱く狭く、授乳や抱っこのときの30cm程度の距離が、はっきりとママの顔が分かって一番安心すると言われています。そのくらいの距離から、目を見てママの気持ちを伝えてあげましょう」
赤ちゃんは、見ているだけで幸せな気持ちにしてくれる存在です。愛しい我が子と見つめ合う時間の分だけ、ママの愛情が伝わりそうですね。
いよいよ実践!7つの手のファーストサイン
今回は1歳未満のお子さんをお持ちの参加者が多く、まだまだ言葉でのコミュニケーションが難しいというママがほとんど。そんなママたちに先生はアドバイスをします。
佐野「まだ言葉でコミュニケーションができない赤ちゃんとのやり取りは、例えば外国に行ったイメージです。言葉が伝わらないからこそ、身振り手振りでわかってもらう必要があります。ボディーランゲージや表情、声のトーンを使って、お互いに気持ちを伝え合おうとしませんか?
先生自身がそれぞれのサインを実践してくれました。「おっぱい」と伝えるときには、手をぐーぱーとさせるそうです。
佐野「その時々の場面に合わせて、ゆっくりと話しかけながらサインを見せてあげましょう。ジェスチャーと生活がリンクしていくことで、赤ちゃんもサインを覚えていきます。早くできた、できないは関係ないので、焦らずに続けていきましょう」
他の6つのサインもゆっくりと手を動かして説明してくれたので、とてもわかりやすかったですよ。
ファーストサインマジックでママの気持ちがラクになる
それぞれの言葉とサインを説明した後、先生はサインの思わぬ効果を教えてくれました。
佐野「子どもと食事するとぐちゃぐちゃに散らかって、カオスな状態になりますよね。そんなときでも、子どもが「おいしい」とか「もっと」というジェスチャーをしてくれることで、食事の時のテンションが少し上がるんです。後片付けはやっぱり必要ですが、コミュニケーションが取れているとわかった分、気持ちは楽になります。
あと、ファーストサインのときには言葉と表情、そして声を赤ちゃんに合わせるのがとっても大切です。子どもが転んだ時、大人は笑いながら「痛いの痛いの飛んでけ」って言うことがありますよね。それだと「自分の気持ちに共感してくれない」と、子どもは思ってしまうんです。そうではなく、表情と声を合わせると満足して機嫌が良くなってくれますよ」
確かに、「なんとか泣き止んで欲しい」の一心で、苦笑しながらあやしてしまうことってよくあるような気がします。でも、子どもも一人の人間。共感を示す姿勢が大切なのですね。
体験会では、先生自身が「推しサイン」を披露する場も!
佐野「私の推しサインは「大好き」を伝える、ほっぺをつんつんとするジェスチャーです。これは、おやすみのコミュニケーションを取るときにおすすめ。なぜなら、寝る前の時間は記憶に残りやすいからです。そのタイミングで「大好き」という気持ちを伝えてみてください。返ってきたときには感動しますよ」
ファーストサインで今この瞬間の子育てを一緒に、楽しく
先生の推しサインを教えていただいたところで、体験会はまとめに入ります。
佐野「赤ちゃんは本当にママをよく見ていて、興味を持っています。そんな赤ちゃんにはまず名前を呼んで、目をしっかりと合わせてからサインしましょう。合わせてくれないときには、それはそれで今は興味がないというサインを出していることになるので、強制する必要はありません」
佐野「家族は一番小さな社会です。お互いを大切にする関係は、家族から始まっていきます。成長していくなかで必要となるコミュニケーションの土台を育んでいけるのは、ファーストサインのいいところです。私は子どもだけではなく、自分も一緒に成長してると感じています」
そして、先生は最後にもう一度ファーストサインの目的を伝えてくれました。
佐野「おしゃべり前の赤ちゃんとサインを使って気持ちが伝わる感動は今しか味わえないものです。今回ご紹介したもの以外、例えば動物や食べ物にもサインがあります。大切なのは、そのサインを使って気持ちを伝え合うことです。私の子どもはもう赤ちゃんではありませんが、今もフェイスサインやボイスサインで気持ちを伝えてくれているんですよ」
「気持ちが伝わる感動」という言葉にはっとしました。子どもの成長はあっという間だからこそ、良いことでも大変なことでも、今しか味わえない気持ちを大切にしたいと感じました。
質疑応答で講座終了
とっても素敵な言葉で、ファーストサインの魅力を伝えてくれた佐野先生。最後は質疑応答で、ファーストサインに興味津々の参加者からの質問に答えてくれました。
Q:お腹が空いたときのサインと喉が渇いたときのサインの違いはありますか?
佐野「赤ちゃんの食事はミルクなので、お腹が空いたと喉が渇いたの違いがわかりづらいですよね。離乳食が始まったら「食べる」のサイン、「飲む」のサインを日常的に使ってみるのはいかがでしょうか?親子でオリジナルのサインを作っても全然大丈夫ですよ」
Q:オムツが濡れても泣かない子を育てているのですが、オムツのサインを教えることはできますか?
佐野「オムツの前をパンパンするサインがありますね。ただ、ファーストサインはサインをしてもらうことではなく、あくまで赤ちゃんとのコミュニケーションが目的だと思ってもらいたいのです。おむつ替えの時にママから赤ちゃんにサインを伝え続けていくと、赤ちゃんから次第に伝えてくれることがでてきます。赤ちゃんの性格もあるので、「おむつが濡れたのを教えてほしい」とママが必死に教え込むことは避けて欲しいなと思います。赤ちゃんはママに自分を見てもらえて、わかってもらえるのがうれしいんです。言葉を話せないうちは手の動きが多くなりますが、楽しくコミュニケーションを取るためには、表情や声も大切ですよね。子育ては大変だけど、このファーストサインがママの「嬉しい」や「楽しい」につながってくれると良いなと願っています」
ファーストサインはコミュニケーションの手段だけではなく、ママと赤ちゃんの絆づくりへの効果があるのですね。サインを使って気持ちを伝え合えたら、大変な育児も乗り越えられそうだと感じました!
<ファーストサイン体験会のポイント>
- ファーストサインはママと赤ちゃんが互いに気持ちを理解するためのもの
- サインは表情・声・ジェスチャーの3つで表す
- 抑揚のある高めの声で優しく話しかける「マザーリーズ」が効果的
- 言葉と表情、身振り手振りを合わせることが大切
- サインを伝え合うことでお互いの気持ちを大切にできる
- ファーストサインでコミュニケーションの土台を育められる
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