産後のトラブルや悩みを経験したことがあるママは、実に93.6%にのぼるといわれています(BABY JOB株式会社・2024年・全国保護者1,181名対象)。それだけ多くのママが「つらい産後」を経験しているにもかかわらず、産後ケアを案内された方のうち実際に利用したのはわずか33.9%。利用しなかった最大の理由は「利用の仕方がよくわからなかった」というものでした。制度があっても使い方が見えなければ、いざというときに動けません。
新宿区の産後ケアは、宿泊・デイサービス・アウトリーチの3タイプが揃い、聖母病院や国立国際医療センター、JR東京総合病院など区内外の医療施設・助産院を合わせて8施設が連携しているのが特徴です。宿泊は最大6泊7日まで分割して使えますし、区内5か所の保健センターから申請を受け付けているので、地域の窓口にも相談しやすい体制が整っています。どの施設を選べばいいのか、申請はいつ・どこでするのか、プルモ編集部で調べてまとめました。
この記事のポイント
- 新宿区の産後ケアは「ショートステイ型(宿泊)」「デイサービス型(日帰り)」「アウトリーチ型(訪問)」の3種類
- 宿泊型は最大6泊7日まで利用でき、8施設の中から選べる(一部は分娩施設限定)
- 課税世帯の宿泊料金は1泊2日8,000円〜14,000円(施設による)
- 訪問型(アウトリーチ)は1回1,000円で助産師が自宅に来てくれる
- 申請は妊娠24週以降から可能。決定通知書が届くまで約2週間かかるので産前に動くのが鉄則
新宿区の産後ケア、まず全体像を知っておこう
新宿区の産後ケア事業は、大きく3つの制度に分かれています。それぞれの概要を表で整理しておきますね。
| 制度名 | どんなもの? | 利用上限 | 申請窓口 |
|---|---|---|---|
| ショートステイ型(宿泊型) | 支援施設に宿泊して母子ケア・育児相談を受ける | 最大6泊7日(分割可) | 担当保健センター |
| デイサービス型(日帰り型) | 支援施設に日帰りで通い、授乳指導や乳房ケアを受ける | 2回まで | 担当保健センター |
| アウトリーチ型(訪問型) | 助産師が自宅を訪問して授乳支援・育児相談を行う | 3回まで(双子は6回) | 担当保健センター |
①ショートステイ型(宿泊型)|8施設の料金・予約方法一覧
新宿区の宿泊型産後ケアは、区内外の医療機関・助産院あわせて8施設で利用できます。聖母病院(中落合)や東京山手メディカルセンター(百人町)など区内施設のほか、港区の愛育産後ケア子育てステーション、渋谷区のJR東京総合病院なども対象です。1泊2日から最大6泊7日まで分割しての利用が可能で、「最初は2泊、退院後に体調を見てもう2泊」というような使い方もできますよ。ただし、四谷川添産婦人科は同院で出産した方のみ利用できる点に注意してください。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | お母さんと赤ちゃんともに新宿区に住民登録がある方(感染症の疑いがある方は利用不可) |
| ケア内容 | 乳房ケア・体調チェック・休養、赤ちゃんの発育確認、授乳指導・育児相談 |
| 利用日数 | 1泊2日〜6泊7日(分割利用可。1日単位での利用は不可) |
| 申請受付期間 | 妊娠7か月(24週)以降〜利用予定日の2週間前まで |
| 申請先 | 担当保健センター(窓口・郵送・電子申請)または産前アンケート経由 |
| 電子申請 | LoGoフォーム(担当保健センターごとにURLが異なります) |
| 郵送先 | 〒160-0022 新宿区新宿7-3-29 新宿区立子ども総合センター 子育て支援課 子育て支援係 産前産後支援担当 |
| 問い合わせ | 健康づくり課健康づくり推進係 TEL:03-5273-3047 |
| 非課税・生活保護世帯 | 住民税非課税世帯は減額、生活保護受給世帯は免除 |
施設一覧・料金・予約方法(令和8年度版)
| 施設名 | 住所 | 対象月齢 | 1泊2日料金(課税世帯) | 以降1日ごと | 予約方法 | 夜間預かり | 兄弟児受入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 聖母病院 | 新宿区中落合2-5-1 | 産後2か月未満 | 8,000円 | +4,000円 | オンライン | あり | なし |
| 八千代助産院 | 文京区音羽1-19-18(東京都助産師会館2階) | 産後4か月未満 | 12,000円 | +6,000円 | 電話 | なし | なし |
| 国立国際医療センター※宿泊のみ | 新宿区戸山1-21-1 | 産後2か月未満 | 8,000円 | +4,000円 | オンライン | 要相談 | なし |
| 愛育産後ケア子育てステーション※宿泊のみ | 港区南麻布5-6-8 | 産後5か月未満 | 12,000円 | +6,000円 | オンライン | あり | あり |
| 四谷川添産婦人科※同院出産者のみ | 新宿区左門町18 | 産後2か月未満 | 8,000円 | +4,000円 | 電話 | あり | あり |
| 聖路加助産院マタニティケアホーム※宿泊のみ | 中央区明石町1-24 | 産後10週未満 | 14,000円 | +7,000円 | オンライン | なし | なし |
| JR東京総合病院※宿泊のみ | 渋谷区代々木2-1-3 | 産後4か月未満 | 8,000円 | +4,000円 | メール | なし | なし |
| 東京山手メディカルセンター※宿泊のみ | 新宿区百人町3-22-1 | 産後3か月未満 | 8,000円 | +4,000円 | 電話 | あり | なし |
②デイサービス型(日帰り型)|日帰りで使える施設一覧
デイサービス型は、施設に日帰りで通って乳房ケアや授乳指導、育児相談を受けられる制度です。利用回数は2回まで。ショートステイ型と同じ施設を使うこともできますし、デイサービス型のみ対応のオケタニ母乳育児相談室早稲田(喜久井町)も選べます。産後7か月未満まで対応しているのでやや月齢が高くなってから使えるのも助かりますよ。
| 施設名 | 住所 | 対象月齢 | 料金(1回) | 受付時間 | 終了時間 | 予約方法 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 聖母病院 | 新宿区中落合2-5-1 | 産後2か月未満 | 3,000円 | 9時 | 17時 | オンライン |
| 八千代助産院 | 文京区音羽1-19-18 | 産後6か月未満 | 5,000円 | 10時 | 16時 | 電話 |
| 四谷川添産婦人科※同院出産者のみ | 新宿区左門町18 | 産後2か月未満 | 3,000円 | 10時 | 16時 | 電話 |
| オケタニ母乳育児相談室早稲田 | 新宿区喜久井町20-8 | 産後7か月未満 | 3,000円 | 10時 | 16時 | 電話 |
③アウトリーチ型(訪問型)|助産師が自宅に来てくれる
アウトリーチ型は、助産師が自宅を訪問して授乳支援や育児相談、産後の心身に関するケアを行う制度です。1回1,000円、1回90分以内、最大3回(双子の場合は6回)まで利用できます。利用時間は9時〜19時(担当者によっては17時まで)、平日のみで土日祝は対応していません。
訪問してくれる担当者は、利用登録決定通知書に同封される一覧で確認できます。オケタニ母乳育児相談室早稲田(TEL:03-5291-1008)や東京都助産師会(Googleフォームから申込)は新宿区全域に対応していますよ。
新宿区と近隣区を比べてみると
新宿区の産後ケアの充実度をイメージしやすいよう、近隣区と宿泊型の条件を比較してみました。
| 自治体 | 宿泊の上限日数 | 課税世帯の負担(1泊2日) | 非課税世帯 |
|---|---|---|---|
| 新宿区 | 6泊7日(分割可) | 8,000円〜14,000円(施設による) | 減額 |
| 豊島区 | 6泊7日(令和8年4月に3泊から拡大) | 施設による(確認中) | 免除 |
| 板橋区 | 4泊5日(多胎は6泊7日) | 5,000円/日(1泊2日は10,000円相当) | 免除 |
| 北区 | 確認中 | 施設による(確認中) | 免除 |
豊島区は令和8年4月から宿泊型の上限日数を3泊から6泊7日に一気に拡大したばかり。新宿区と並んで23区の中では手厚い部類に入ります。板橋区は上限4泊5日とやや短めですが、非課税世帯の免除制度がある点は共通しています。各区の制度は年度ごとに改定されることもあるため、最新情報は各区の公式ページでご確認ください。
申請の流れをステップで確認しよう
ショートステイ型・デイサービス型・アウトリーチ型は、いずれも同じ流れで申請できます。
LoGoフォーム(電子申請)、郵送、または保健センター窓口のいずれかで申請します。お住まいの地域を担当する保健センターへの申請が必要です。担当保健センターは新宿区公式サイトでご確認ください。妊娠7〜8か月頃に区から届く「妊娠届出をされた方へのアンケート」で申請済みの方は、利用登録申請は不要です。
区が申請内容を確認後、利用登録決定通知書を郵送します。電子申請でも決定通知書は郵送になります。アウトリーチ型の担当者一覧もこの通知書と一緒に送られてきます。
ショートステイ型・デイサービス型は希望の施設へ直接予約してください。アウトリーチ型は通知書に同封の担当者一覧から担当助産師へ電話またはSMSで予約します。同時に複数施設の予約はしないでください。
利用登録決定通知書と母子健康手帳を必ずご持参ください。アウトリーチ型の費用は訪問した助産師に現金でお支払いください。
使う前に知っておきたいこと
産前に申請を済ませておくのが鉄則
利用登録の申請から決定通知書が届くまで、おおむね2週間かかります。産後すぐに使いたいと思っても、申請が遅れると空白期間ができてしまいます。妊娠24週を過ぎたら早めに動くのがおすすめ。区から届く妊娠届のアンケートを活用すると、申請手続きをスキップできる場合もあります。
登録番号のある決定通知書は絶対なくさない
利用登録決定通知書は、施設への予約や当日の受付で必須のものです。産前産後支援事業(ヘルパー・ドゥーラ)の場合も、通知書に記載の利用登録番号がないと予約ができません。届いたらすぐに安全な場所に保管してください。当日忘れた場合は全額自己負担になることがあるため、外出前に必ず確認する習慣をつけてください。
施設によって使える条件が違う
対象月齢は施設ごとに大きく異なります。産後2か月未満しか受け付けない施設もあれば、産後7か月未満まで対応している施設もあります。また、四谷川添産婦人科は同院で出産した方のみ利用できます。内服薬やアレルギーの状況によっても受け入れが難しい場合があるため、予約前に各施設へ確認しておきましょう。
キャンセルは期限を守って
ショートステイ型・デイサービス型は利用前日の午前10時まで、アウトリーチ型は前営業日の午前10時までに施設・担当者へ連絡してください。この期限を過ぎたキャンセルや、連絡なしの不利用は「1回利用したもの」とみなされ、利用回数が減算されます。施設によっては別途キャンセル料が発生することもあります。
3つを組み合わせるのがいちばん賢い使い方
ショートステイ・デイサービス・アウトリーチはそれぞれ別カウントで利用できます。例えば産後すぐに宿泊型でしっかり回復し、その後デイサービスで授乳の調整を続け、自宅に戻ってからアウトリーチで仕上げの相談をする——というように組み合わせて使うと、産後の体と育児の自信を段階的に整えられますよ。1回の申請ですべての種類が使えるのも新宿区の使いやすいところです。
参考・出典
新宿区産後ケア事業のご案内(新宿区公式ウェブサイト)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/postpartum_care.html
令和8年度 ショートステイ型・デイサービス型利用案内(PDF)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000451764.pdf
新宿区産前産後支援事業(新宿区公式ウェブサイト)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kodomo/file03_02_00001.html
豊島区産後ケア事業(豊島区公式ウェブサイト)
https://www.city.toshima.lg.jp/565/kenko/kenko/1804131444.html
板橋区産後ケア事業(板橋区公式ウェブサイト)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kosodate/ninshin/ninshin/1051233.html
北区産後ケア事業(北区公式ウェブサイト)
https://www.city.kita.lg.jp/children-edu/pregnancy/1018244/1002787.html
産後ケア事業に関する実態調査(BABY JOB株式会社・2024年・全国保護者1,181名対象)
