港区のベビーシッター補助は、東京都の制度に港区独自の上乗せが加わって、子ども一人あたり1時間最大3,500円・年間最大50万4,000円まで補助が受けられます。23区でも特に手厚いしくみで、上手に使えば「ベビーシッターは高い」というイメージを覆せる制度です。この記事では、PULMOが港区のベビーシッター補助の使い方、事業者の選び方、申請の流れをまとめました。
- 港区のベビーシッター補助はいくら?(補助額の早見と実例)
- どの事業者を選ぶ?(港区認定マッチング型2社+東京都認定の主要事業者)
- どんな時に使える?(育休中・残業・行事・病児など)
- 補助金の申請方法(6ステップで完結)
- 港区の周辺制度(派遣型一時保育・訪問型病児助成)
出典:港区子ども家庭支援部「港区ベビーシッター利用支援(一時預かり利用支援)事業のご案内」(令和8年度)、港区FAQ(令和7年7月)、東京都福祉局、各事業者公式情報をもとに、PULMOが整理しました。最新情報は必ず港区公式サイトでご確認ください。
港区のベビーシッター補助金はいくら?年間最大50万円のしくみ
まず結論から。港区のベビーシッター補助金は、東京都の補助と港区独自の上乗せの2階建てになっています。両方が効く事業者を選べば、補助額は次のとおりです。
| 時間帯 | 東京都の補助 | 港区独自の上乗せ | 合計 |
|---|---|---|---|
| 7時〜22時(日中) | 2,500円/h | 1,000円/h | 3,500円/h |
| 22時〜翌7時(夜間) | 3,500円/h | 1,500円/h | 5,000円/h |
1時間あたり最大3,500円(夜間は5,000円)が補助される計算です。年間144時間使い切ると、最大50万4,000円の補助になります(出典:港区公式)。
ただし、港区独自の上乗せ1,000円が効くのは「港区が独自に認定したマッチング型ベビーシッター事業者」を使った場合だけ。具体的な事業者は次の章で紹介します。
港区のベビーシッター補助を実例で計算してみる
3つのパターンで実際の補助額を見てみます(すべて港区独自上乗せが効くマッチング型を使った場合)。
| パターン | 利用例 | シッター料金 | 補助額 | 実質負担 |
|---|---|---|---|---|
| A | 月1回・4時間 | 2,500円/h × 4h = 10,000円 | 2,500円 × 4h = 10,000円 | 0円 |
| B | 月2回・6時間ずつ | 3,000円/h × 12h = 36,000円 | 3,000円 × 12h = 36,000円 | 0円 |
| C | 月1回・4時間(ベテラン) | 4,000円/h × 4h = 16,000円 | 3,500円 × 4h = 14,000円 | 2,000円 |
1時間あたりの料金が3,500円以下なら、実質負担0円で使えます。3,500円を超えるベテランシッターを使う場合だけ、超えた分が自己負担になります。
年間の利用上限時間
| 区分 | 年間上限時間 | 日中で使い切った場合の補助額 |
|---|---|---|
| 通常 | 144時間 | 最大504,000円 |
| 多胎児(双子・三つ子など) | 288時間 | 最大1,008,000円 |
| 障害児 | 288時間 | 最大1,008,000円 |
| ひとり親家庭 | 288時間 | 最大1,008,000円 |
月の上限はなく、年間の枠内で自由に配分できます。月1回4時間ペースで使えば、ちょうど144時間に収まる計算です(出典:港区FAQ)。
港区のベビーシッターはどの事業者を選ぶ?認定マッチング型2社が第一候補
事業者選びで最も大事なポイントは、「港区が独自に認定したマッチング型2社を使うかどうか」です。この2社を使えば1時間3,500円補助、それ以外の都認定事業者を使うと1時間2,500円補助。1時間あたり1,000円の差がつきます。
港区独自認定のマッチング型ベビーシッター事業者(2社)
| 事業者 | サービス名 | 補助上限(日中) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 港区認定株式会社ネクストビート | KIDSNAシッター | 3,500円/h | 登録シッターは全員が保育士・看護師・幼稚園教諭などの有資格者。アプリやWebで予約可能 |
| 港区認定株式会社エクシオジャパン | KidsPark | 3,500円/h | 2026年1月に港区認定を受けた新しい選択肢。マッチング型として利用可能 |
港区独自の上乗せ補助は「マッチング型」というしくみを使った事業者だけが対象です。マッチング型は、利用者本人がサイト上でシッターを選んで個人に直接依頼するしくみ。事業者が一括コーディネートする「請負型(派遣型)」とは違って、入会金が無料の事業者が多く、料金もシッターごとに幅があります。
東京都認定の主要ベビーシッター事業者(都の補助2,500円が使える)
港区独自認定の2社以外でも、東京都認定の事業者を使えば1時間2,500円までは補助されます。主要な事業者を整理しました。
| 事業者 | タイプ | 料金目安(日中) | 入会金 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ポピンズシッター | マッチング | 2,200円〜 | 無料 | シッターの9割が有資格者。30分単位で送迎にも対応 |
| キッズライン | マッチング | 1,000円〜 | 無料 | 業界最大手。シッター数が多く急な依頼にも対応しやすい |
| ベアーズ | 請負 | 3,300円〜 | 22,000円 | 家事代行と併用可能。事業者が責任を持ってコーディネート |
| マザーネット | 請負 | 3,300円〜 | 22,000円 | 病児保育に強い。看護師資格を持つスタッフが多い |
| ル・アンジェ | 請負 | 3,000円〜 | 20,000円 | 保育士派遣・産後ケアまで対応するワンストップ型 |
料金は2026年5月時点のものです。各社で頻繁に変動するため、契約前に必ず公式サイトで最新の料金を確認してください。
マッチング型と請負型のどちらを選ぶ?
同じ「ベビーシッター事業者」でも、マッチング型と請負型では使い心地が大きく違います。
| 項目 | マッチング型 | 請負(派遣)型 |
|---|---|---|
| シッターの選び方 | 自分でサイト上で選ぶ | 事業者がコーディネート |
| 契約の相手 | シッター個人 | 事業者 |
| 事故・トラブル対応 | 原則として当事者間 | 事業者が責任を持って対応 |
| 入会金・年会費 | 無料が多い | 2〜5万円かかる事業者が多い |
| 港区独自の上乗せ | あり(認定2社のみ) | なし |
(出典:港区「請負型サービスとマッチング型サービスの違い」)
「事業者がぜんぶ責任を持ってくれる安心感」を取るなら請負型、「自分でシッターを選べる柔軟性と補助の手厚さ」を取るならマッチング型、というのがおおまかな選び方です。
港区のベビーシッターはどんな時に使える?利用シーンと対象外ケース
港区のベビーシッター補助は、利用できる理由がかなり幅広いのが特徴です。「保育の必要性」も問われないので、育休中・在宅勤務中・専業主婦/主夫でも対象になります(出典:港区FAQ)。
ベビーシッター補助が使えるシーンの例
| シーン | 使い方のヒント |
|---|---|
| 産後すぐ・体調を崩したとき | 新生児からの対応も事業者によっては可能。「共同保育」で子育ての不安相談もできる |
| 上のお子さんの行事 | 入学式・参観日・運動会に下のお子さんを連れていけない時に。自宅以外での保育も補助対象 |
| 残業・出張・夜間 | 保育園のお迎え代行から夕食対応まで。22時以降は補助単価が3,500円(マッチング型なら5,000円)に |
| お子さんが病気のとき | 「訪問型病児保育助成」と組み合わせるとさらに負担を軽くできる(利用回ごとに使い分け) |
| 美容院・通院・買い物 | リフレッシュ目的でも対象。最低利用時間は事業者によって異なる(30分から可能なところも) |
| 子育ての相談 | 「共同保育」で保護者とシッターが一緒に保育しながら相談に乗ってもらう |
補助の対象外になる主なケース
誤解しやすいポイントなので確認しておきます。次のケースは補助対象外になります。
- 港区に住民登録がない(子どもの住民票が他区にある場合も含む)
- 家事援助のみの依頼(保育を含まない)
- 送迎のみで保育を含まない依頼
- 事業者が東京都・港区の認定を受けていない
- 入会金・年会費・交通費・キャンセル料・保険料などの実費
兄弟姉妹を同時に預ける場合のルール
未就学児の兄弟姉妹を同時に預ける場合は、原則として「児童と同数のベビーシッターを派遣してもらう」必要があります。
| 家庭の状況 | 必要なシッター数 |
|---|---|
| 未就学児1名+小学生1名 | 1名でOK |
| 未就学児2名+小学生1名 | 2名必要 |
| 小学生2名のみ | 1名でOK |
例外として、保護者とベビーシッターが一緒に保育する「共同保育」の形態であれば、1人のシッターで複数のお子さんを見てもらえます。ただし共同保育を受け付けていない事業者もあるため、事前確認が必要です。
港区ベビーシッター補助金の申請方法と必要書類
港区のベビーシッター補助は、事前申請不要で使えます。事業者を選んで利用し、利用後に補助金を申請する流れです。
申請に必要な書類
| 書類 | 入手先 |
|---|---|
| 補助金申請書兼請求書兼支払金口座振替依頼書 | 港区公式サイトでダウンロード(オンライン申請なら不要) |
| 利用内訳表 | 港区公式サイトでダウンロード |
| 領収書 | 事業者発行 |
| 利用明細書(児童名・利用日・時間・料金内訳・シッター名) | 事業者発行 |
| ベビーシッター要件証明書 | 事業者発行 |
申請書類の氏名は、ベビーシッターの利用者・領収書・口座名義人がすべて同一である必要があります。
申請の締切日
申請は月2回の締切日があります(原則、利用月の翌月10日または25日まで)。年度の最終締切は令和9年4月15日(必着)。これを過ぎると一切受け付けてもらえません。予算額に達した場合は補助が打ち切られる可能性もあるため、利用したら早めに申請するのが安心です。
港区ベビーシッター補助を使う前に押さえておきたい落とし穴
福利厚生クーポンとの併用には注意
勤務先のベビーシッター利用券(こども家庭庁ベビーシッター券、ベネフィット・ステーションなど)は港区の補助と併用できます。ただし計算方法に注意が必要です。
3時間で9,000円のシッターに、福利厚生クーポン3,000円を充てた場合、区への請求は残り6,000円分。クーポンに「特定の時間に対応」と明記されていないと、3時間すべてが年間144時間の枠から引かれます。クーポンを使う日と区の補助を使う日を分けるのも一つの方法です。
港区の他制度との同時申請はできない
港区の「訪問型病児・病後児保育利用料助成」を受けている場合、同一の利用回ではベビーシッター利用支援事業の補助は受けられません。ただし、同じ月内で利用回が分かれていれば、それぞれ別の制度として使い分け可能です。
住民票の要件は厳格
港区のベビーシッター補助は「ベビーシッター利用日に港区に住民登録がある」ことが前提です。実家への里帰り中で住民票が他区にある場合や、子どもの住民票だけ別住所にある場合は対象外になります。引っ越し直後にシッターを利用する場合は、住民票の異動が完了しているか確認しておきます。
ベビーシッターを安心して使うためのチェックポイント
こども家庭庁が「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」を発表しています。特に重要なポイントは次のとおりです(出典:こども家庭庁)。
| ポイント | 確認内容 |
|---|---|
| 事前面接 | マッチング型では特に、子どもを預ける前に必ず面会して人柄を確認する |
| 身分の確認 | シッターの氏名・住所・連絡先、身分証明書を確認する |
| 資格・研修 | 保育士・幼稚園教諭・認定ベビーシッターなどの資格や研修受講歴を確認する |
| 保険加入 | 事業者・シッターが事故時の保険に加入しているかを確認する |
| 緊急時の連絡体制 | 預けている間も連絡が取れる体制を整え、子どもの様子を確認できるようにする |
港区のベビーシッター以外で使える子育て関連の支援制度
港区にはベビーシッター利用支援事業のほかにも、お子さんを預けたいときに使える制度があります。シーンに応じて組み合わせると、子育ての負担をさらに軽くできます。
派遣型一時保育(あい・ぽーと子育てサポート事業)
あい・ぽーと子育てサポート事業は港区委託の派遣型一時保育サービスで、料金がベビーシッターよりかなり安いのが特徴です。
| 時間帯 | 一時保育 | 病後児・新生児保育 |
|---|---|---|
| 通常(9時〜18時) | 900円/h | 1,000円/h |
| 早朝(7時〜9時)・夜間(18時〜21時)・日祝 | 1,100円/h | 1,200円/h |
| 21時〜24時 | 1,600円/h | 1,700円/h |
| 宿泊(21時〜翌朝7時) | 5,000円 | 10,000円 |
利用には事前に会員登録説明会への参加が必要です(月1回開催)。一般のシッターと比べると料金が圧倒的に安く、宿泊や病後児保育にも対応しているので、定期的に利用する家庭は検討する価値があります。
訪問型病児・病後児保育利用料助成
お子さんが病気で保育園や学校に登園・登校できない時期に、ベビーシッターを利用すると、利用料の2分の1(年度ごとに5万円上限)が助成されます(出典:港区訪問型病児・病後児保育利用料助成)。
対象は保育園・幼稚園・学童クラブなどに通っている生後57日目以降〜小学校6年生のお子さんで、ベビーシッター利用日の前後7日間以内に医療機関を受診していることが条件です。ベビーシッター利用支援事業との同時申請はできませんが、利用回ごとに使い分けることは可能です。
育児サポート子むすび
港区の育児サポート子むすびは、子育てに関する援助を受けたい方と援助したい方をつなぐ会員制の相互援助活動です。区民同士の支え合いで子どもの送迎や預かりを行うしくみで、ベビーシッターより気軽に頼める場面があります。詳細は港区子ども家庭支援センターまでお問い合わせください。
港区のベビーシッター補助に関するよくある質問
Q. 育休中でも港区のベビーシッター補助は使えますか?
A. 使えます。保護者の就労状況は問われないので、育休中・在宅勤務中・専業主婦/主夫でも対象です。
Q. 保育園に入園しているのですが、対象になりますか?
A. なります。保育施設への入園の有無は補助対象に影響しません。
Q. 数か月前に利用したのですが、申請を忘れていました。まとめて申請できますか?
A. 同一年度内の利用であれば、まとめて申請できます。ただし領収書の紛失リスクを考えると、こまめに申請するのがおすすめです。
Q. 補助金は所得税の課税対象になりますか?
A. 令和3年度の税制改正により、一時預かり利用支援の補助金は非課税対象です。確定申告は不要です。
Q. 友人の家や児童館で預かってもらった場合も対象ですか?
A. 預かり場所の制限はありません。契約した事業者が対応可能であれば、自宅以外(実家・児童館・カフェなど)での保育も補助対象です。
Q. 子どもが病気の日にシッターを利用したら補助されますか?
A. ベビーシッター利用支援事業でも対象になります。ただし、保育園・幼稚園に通っている場合は別途「訪問型病児・病後児保育利用料助成」(利用料の2分の1、年5万円上限)と組み合わせる方が手厚くなる場合があります。
港区のベビーシッター補助を使い始める前に押さえること
- 港区認定マッチング型2社(KIDSNAシッター・KidsPark)を使えば1時間最大3,500円補助
- 他の都認定事業者を使う場合は1時間2,500円までの補助
- 年間上限は144時間(多胎児・障害児・ひとり親家庭は288時間)
- 契約時に「東京都のベビーシッター利用支援事業を活用したい」と必ず申し出る
- 領収書・利用明細書・要件証明書を事業者から必ず受け取る
- 申請は月2回の締切日。年度内最終締切(4月15日必着)を過ぎると受け付けてもらえない
- 福利厚生クーポンと併用する場合は、年間144時間の枠の消費に注意
「ベビーシッターは高い」というイメージから諦めていたご家庭も、補助を組み合わせれば現実的に手の届く選択肢になります。まずは港区認定のマッチング型2社のサイトを見てみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
主な参照公式情報
- 港区「港区ベビーシッター利用支援(一時預かり利用支援)事業のご案内」
- 港区「港区ベビーシッター利用支援事業 FAQ」
- 港区「港区マッチング型ベビーシッター認定事業者一覧」
- 港区「訪問型病児・病後児保育利用料助成」
- 東京都福祉局「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」
- 東京都福祉局「認定事業者一覧」
- あい・ぽーとステーション「港区派遣型一時保育事業」
- こども家庭庁「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」
本記事の制度内容や金額、料金情報は港区公式サイト、各事業者の公式情報を参照し、2026年5月時点のものを記載しています。最新情報は必ず各公式サイトでご確認ください。
