「名古屋市の保育園は何ランクで入れるの?」「ボーダー表ってどう読めばいい?」——保活を始めると、選考のしくみと自分の立ち位置がまず気になります。
名古屋市の保育園選考は、A〜Iの9段階ランクと調整指数の組み合わせで決まります。そして、今回確認した候補自治体の中では、園別・年齢別のボーダー(決定者の最下ランク・指数)を公式PDFで確認できる貴重な自治体です。本記事では、ランクと指数のしくみを正しく理解したうえで、公式のボーダー表と募集人数一覧の読み方を整理します。
この記事は、令和8年度(2026年4月以降)の利用調整基準表・ボーダー表をもとにまとめています。2027年4月入園を検討する場合も、選考の考え方の参考になりますが、年度によって基準が改定されることがあるため、申込にあたっては必ず最新年度の基準表でご確認ください。
この記事でわかること
- 名古屋市の保育園選考で使われる「ランク」と「調整指数」の決まり方
- 父母のランクが異なる場合は「低い方」を採用するという特徴
- フルタイム共働きの標準的なランクの位置づけ
- きょうだい加点・ひとり親のランクアップ・祖父母減点など、影響の大きいルール
- 園別・年齢別ボーダー表(決定者の最下ランク・指数)の読み方
- 募集人数一覧で受入状況を確認する方法
- 状況別の動き方と、希望園を広げるときの考え方
本記事は、名古屋市の公式資料(利用調整基準表・ボーダー表・募集人数一覧ほか)をもとに、PULMOが内容を整理したものです。ランク・指数のしくみや募集人数は年度によって改定・変動します。ボーダーは過去の利用調整における決定者の最下ランク・指数であり、次回の内定を保証するものではありません。最新の基準・ボーダー・募集人数は、必ず名古屋市の公式ページおよび各区役所民生子ども課でご確認ください。
まず知っておきたい:名古屋市の保活の実態
名古屋市は人口約230万人、16の行政区を持つ東海圏の中心都市です。共働き世帯や子育て世帯が多く、保育の需要が高いエリアです。利用申込が施設の受入可能数を上回る場合は、先着順ではなく、利用調整基準表に基づいてランクと指数で選考が行われます。
一般的な傾向として、0〜2歳の低年齢クラスは申込が集まりやすく、駅周辺や通勤しやすいエリアの園にも希望が集まりやすい傾向があります。名古屋市は公式にボーダー表を公表しているため、園別・年齢別の過去実績から傾向をつかみやすいのが特徴です。加えて、月次の募集人数一覧や、公式サイト「ここなご」の利用調整基準シミュレーションも活用できます。
名古屋市のランク・指数のしくみ
A〜Iの9段階ランク制で選考される
名古屋市では、保育を必要とする事由に応じて保護者ごとにA〜Iの9段階のランクが決まります。Aが最も優先順位が高く、Iが最も低いランクです。ランクが高い世帯から優先的に利用が決まり、同一ランク内では調整指数(加点・減点の合計)が高い順に決まります。
父母は「低い方のランク」を世帯ランクにする
名古屋市では、保護者それぞれのランクが異なる場合、優先順位の低い方のランクを世帯のランクとして適用します。たとえば父がAランク・母がBランクの世帯は、世帯ランクはBになります。父母のランクを平均したり合算したりするわけではない点に注意が必要です。
フルタイム共働きの標準=Aランク
就労による主なランク区分は次のとおりです。
| 1週間の勤務時間 | ランク |
|---|---|
| 週40時間以上 | A |
| 週30時間以上 | B |
| 週24時間以上 | C |
| 週16時間以上 | D |
| 上記以外で月64時間以上 | F |
父母ともにフルタイム(週40時間以上)で働いている場合、世帯ランクはAとなります。就労時間は残業を含まず、休憩時間(上限1日1時間)を含んだ規定の時間で判断されます。内職や自営業専従者の場合は就労実態に基づくランクから1ランクダウン、就労予定の場合も1ランクダウンとなります。
ランクアップ項目
以下の項目に該当する場合は、ランクが引き上げられます。
| ランクアップ項目 | アップ幅 |
|---|---|
| ひとり親世帯等 | 3ランクアップ |
| きょうだいが利用中の施設への申込 | 1ランクアップ |
| 乳児専門保育所・小規模保育事業所等の卒園児 | 1ランクアップ |
| 生計主宰者の失業 | 1ランクアップ |
| 認定こども園の1号→2号変更で同園継続希望 | 1ランクアップ |
複数の項目に該当する場合でも、ランクアップの上限は3ランクです。すでにAランクに達している場合や、Iランクの場合は、1ランクアップ=2点として調整指数に読み替えられます。
主な調整指数(加点・減点)
同じランク内での順位を決める調整指数の主な項目は次のとおりです。
| 項目 | 指数 |
|---|---|
| 乳児専門保育所・小規模保育事業所等の卒園児 | +5 |
| きょうだいが利用中の同一施設への申込 | +5 |
| きょうだいが同一施設に同時申込 | +4 |
| 育児休業からの復職 | +3 |
| 認可外保育施設等に有償で預けている | +3 |
| ひとり親世帯等で65歳未満の同居親族がいない | +3 |
| 多胎児(双子・三つ子等) | +2 |
| 第1希望の施設 | +2 |
| 第2希望の施設 | +1 |
| 65歳未満の親族に預けている | -1 |
| 同一区内に保育可能な65歳未満の祖父母がいる | -1 |
| 保育可能な65歳未満の祖父母と同居 | -2 |
| 利用施設の変更申込(一部例外あり) | -1 |
希望順位が指数に加算される
名古屋市の特徴として、希望順位が調整指数に直接反映されます。第1希望の施設には+2点、第2希望には+1点が加算されます。第3希望以降は加算がありません。このため、同じランク・同じ家庭状況でも、その施設を第1希望にしているかどうかで指数が変わります。
同一ランク・同一指数で並んだ場合の優先順位
ランクも調整指数も同じ場合は、次の順で優先されます。
- きょうだいと同一施設への利用が見込める場合
- 当該施設の希望順位が高い場合
- 保育を必要とする事由の優先順位(災害復旧→病気・障害→就労→親族の介護→…の順)
- 世帯の所得が低い場合
名古屋市で特に確認しておきたい独自ルール
育休延長を許容すると「Iランク(最下位)」になる
育児休業からの復職に伴う申込みで、「希望する保育所等に入所できない場合は育休延長も許容できる」を選択した場合、ランクはI(最下位)として扱われます。この取扱いは原則として同一世帯からの同一年度内の申込みすべてに適用されます。ただし、Iランクであっても希望する施設の定員に空きがある場合は利用決定となります。今回どうしても入園したいのか、延長も視野に入れるのかで選択が分かれるため、申込前に世帯でよく確認しておきたい項目です。
部分休業・時短勤務は「休業がない場合の勤務時間」で判定
部分休業や時短勤務を利用している方のランクは、休業がない場合(本来の勤務時間)で判断されます。たとえば本来は週40時間の契約で、時短により週30時間で働いている場合でも、ランクはAとして扱われます。就労証明書に記載される勤務時間の扱いが他の自治体と異なる場合があるため、申請前に確認しておくと安心です。
65歳未満の祖父母がいると減点の対象になる場合がある
同一区内(支所管内)に保育が可能な65歳未満の祖父母がいる場合は-1点、同居の場合は-2点の減点が調整指数に加わります。65歳未満の祖父母がいる家庭は、該当するかどうかを事前に確認しておく必要があります。
園別・年齢別のボーダー(最下ランク・指数)の見方
ボーダー表とは
名古屋市は、4月1次利用調整について、園別・年齢別のボーダー(決定者の最下ランク・指数)をPDFで公表しています。ボーダー表を見ると、過去に「最後に利用決定した世帯のランクと指数」がわかります。たとえば「A5」と記載されていれば、Aランク・調整指数5点の世帯が最後に決定したという過去実績です。
ただし、ボーダーは受入人数や申込状況等により毎年変動します。「このランク・指数なら必ず入れる」という意味ではなく、あくまで過去の目安として活用してください。
ボーダー表の主な表記と読み方
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| A5、B3、H2 など | 決定者の最下ランクと指数。Aランク・指数5点の世帯が最後に決定した、という過去実績 |
| 空きあり | 申込者全員が利用決定し、さらに空きがあった状態 |
| 募集なし | そのクラス年齢では募集がなかった |
| ※非開示 | 利用決定者が1名等のため、個人情報保護の観点で非開示 |
| -(ハイフン) | 受入可能年齢ではないクラス |
令和8年4月ボーダー表から見える年齢別の傾向
令和8年4月の1次利用調整ボーダー表(全施設)を年齢別に集計すると、次のような傾向が見えます。
| クラス年齢 | Aランクでボーダーが出た施設 | 空きありの施設 | 募集なしの施設 |
|---|---|---|---|
| 0歳(産明除) | 約100施設(全体の13%) | 約490施設(63%) | 約20施設(3%) |
| 1歳 | 約390施設(49%) | 約170施設(22%) | 約20施設(3%) |
| 2歳 | 約110施設(14%) | 約210施設(26%) | 約260施設(33%) |
0歳クラスは空きありが6割を超えており、受入に余裕がある施設が多い傾向です。1歳クラスでは約半数の施設でAランクのボーダーが出ており、Aランク内では調整指数A5が最も多く見られ、A3〜A6の範囲に集中しています。つまり、フルタイム共働き(Aランク)でも、調整指数の積み上げが求められるクラスと言えます。2歳クラスは募集なしの施設が3割を超え、そもそも募集枠自体が限られる傾向があります。
ただし、この傾向はあくまで令和8年4月の実績です。ボーダーは毎年変動するため、次回の入所を保証するものではありません。
ボーダー表を活用するときの注意点
ボーダー表は過去の利用調整結果であり、「このランク・指数があれば入れる」という基準ではありません。受入人数や申込状況は毎年変わるため、前年に「空きあり」だった施設が翌年はAランクのボーダーになることも、その逆もあり得ます。希望園を検討する際の目安として活用しつつ、特定の園だけに絞り込みすぎないことが大切です。
募集人数一覧から見る受入状況の確認方法
募集人数一覧とは
名古屋市は、月次の募集人数一覧をPDFで公表しています。これは各施設のクラス年齢ごとの募集人数(次回の利用調整で受け入れられる人数)を示す資料です。募集人数は、利用児童の退所や職員体制等の状況により変動するため、現時点の予定として確認してください。
募集人数一覧の主な表記
| 表記 | 意味 |
|---|---|
| 数字(0、1、2…) | そのクラスの募集人数 |
| – | 受入可能年齢ではないクラス |
| ← | 左隣のクラス年齢と合わせて募集する |
| 確認中 | 区役所への確認が必要 |
募集人数とボーダーは別の情報
募集人数一覧は「次回の募集で何人受け入れる予定か」を示す資料であり、ボーダー表とは別のものです。募集人数が0でもその施設への申込自体は可能な場合がありますし、募集人数があっても申込が集中すればランク・指数による選考が行われます。両方の資料を組み合わせて、希望園の候補を検討するのが実践的です。
データから読み取れる傾向と、希望園の広げ方
ボーダー表と募集人数一覧を合わせて見ると、年齢やエリアごとの状況をある程度つかめます。令和8年4月のボーダー表からは、0歳クラスは比較的余裕がある施設が多く、1歳クラスが最も競争が見られ、2歳クラスはそもそも募集枠が限られる傾向が読み取れます。区ごとの空き状況を整理した名古屋市の保育園空き状況まとめもあわせて参考にしてください。
希望園を検討する際は、ボーダー表で過去のランク・指数を確認しつつ、募集人数一覧で最新の受入予定を確認し、施設種別(小規模保育・認定こども園なども含む)やエリアを広げて候補を増やすことが有効です。たとえば市内最大人口の緑区については、名古屋市緑区(徳重・有松・鳴海エリア)の保育園空き状況でより具体的に確認できます。名古屋市の公式サイト「ここなご」では、利用調整基準のシミュレーションも提供されているため、自分の世帯のランクと指数の目安を確認しておくことをおすすめします。
状況別:どう動く?
家庭の状況によって、確認すべきポイントや動き方の目安は変わります。あくまで一般的な考え方として整理します。
| 状況 | 確認・動き方のポイント |
|---|---|
| フルタイム共働き | 父母とも週40時間以上ならAランクが目安。同じAランク内では調整指数で差がつくため、加点項目を確認する。 |
| 育休明け復職予定 | 育児休業からの復職で+3点の調整指数。育休延長を許容する選択をするとIランクになる点に注意。 |
| きょうだいが在園中 | 同一施設への申込で1ランクアップ+指数5点と大きな加算。ただしランクアップの上限(3ランク)に注意。 |
| 認可外保育施設なども含めて検討中 | 認可外に有償で預けている場合は+3点の調整指数。認可施設の募集人数一覧と並行して、利用条件・費用・通園距離を比較する。 |
| 時短勤務 | 部分休業・時短勤務は「休業がない場合の勤務時間」でランク判定。時短後の実時間ではない点を確認する。 |
| 求職活動中 | 求職中はHランク。就労が決まればランクが上がるため、就労開始の見込みを整理する。 |
| 市外から転入予定 | 申込・利用開始の時点で名古屋市民である必要があるかなど、転入時期と申込時期の関係を区役所民生子ども課で確認する。 |
| 希望園が少ない家庭 | 募集人数一覧で施設種別・エリアを広げて候補を増やす。第1希望+2点、第2希望+1点の加算も考慮して希望順位を組む。 |
| 1歳クラスを希望する家庭 | 1歳クラスは約半数の施設でAランクのボーダーが出ている(R8年4月実績)。複数園・複数エリアを検討しておく。 |
保留(不承諾)になったときにやること
- 保留通知の内容を確認し、次回以降の利用調整の対象になるかを把握する。
- 募集人数一覧で最新の受入状況を確認し、希望園・希望順位を見直す。
- 認可外保育施設や小規模保育など、ほかの選択肢も並行して検討する。
- 各区の区役所民生子ども課に、申込方法や必要書類、希望園の見直し方を相談する。
- 翌月以降の募集人数一覧を定期的に追い、募集が出たタイミングで希望変更を検討する。
よくある質問
フルタイム共働きなら何ランクになりますか?
父母ともに週40時間以上の勤務であれば、それぞれAランクとなり、世帯ランクもAです。ただし、同じAランク内でも調整指数によって順位が変わります。きょうだい加点や育休復職の加点、希望順位の加算(第1希望+2点)などが指数に影響します。
きょうだいがいると有利ですか?
きょうだいが利用中の施設に申込む場合は、1ランクアップに加えて調整指数+5点と大きな加算があります。きょうだいが同一施設に同時申込の場合も+4点です。ランクアップと調整指数の両面で有利になります。
ボーダー表で「A5」の園なら入れますか?
「A5」は、過去の利用調整でAランク・指数5点の世帯が最後に決定した、という実績です。次回もA5で入れるとは限りません。受入人数や申込状況は毎年変動するため、ボーダー表は目安として活用し、特定の園に絞り込みすぎないことが大切です。
募集人数が0でも申し込めますか?
募集人数は現時点の予定であり、退所や職員体制の変更等で変動する可能性があります。募集人数が0でも、状況が変われば利用調整の対象となることがあります。詳しくは施設が所在する区の区役所民生子ども課にお問い合わせください。
落ちた(保留になった)場合、次に何をすればよいですか?
まず保留通知を確認し、次回以降の利用調整の対象になるかを把握します。そのうえで、募集人数一覧で希望園を見直す、認可外や小規模保育も検討する、区役所民生子ども課に相談する、翌月以降の募集人数を追う、といった行動が考えられます。
入園できるかどうかと合わせて、入園後にかかる費用も気になるところです。名古屋市の保育料のしくみは、名古屋市の保育料の記事で確認できます。
まとめ
名古屋市の保育園選考は、A〜Iの9段階ランクと調整指数の組み合わせで決まります。最大の特徴は、父母のランクが異なる場合に「低い方」を世帯ランクとして採用する点と、希望順位が調整指数に直接加算される点です。きょうだい加点・ひとり親のランクアップ・祖父母減点・育休延長許容によるIランク適用など、独自のルールも申込前に確認しておきたいポイントです。
園別・年齢別のボーダー(決定者の最下ランク・指数)は公式PDFで確認できます。令和8年4月の実績では、1歳クラスの約半数の施設でAランクのボーダーが出ており、A3〜A6の範囲が多く見られました。ボーダーはあくまで過去実績であり、次回の内定を保証するものではありませんが、希望園を検討するうえでの重要な目安になります。募集人数一覧や「ここなご」のシミュレーションとあわせて活用してください。
最新の基準表・ボーダー表・募集人数は、名古屋市の公式ページおよび各区役所民生子ども課で必ずご確認ください。
