こんにちは、PULMO編集部です。川崎市の保活シリーズ個別区記事として、今回は幸区を取り上げます。
新川崎・鹿島田駅周辺の再開発でファミリー層の流入が続き、1歳児の申請数が川崎市内でも突出して多いエリアを抱える区です。川崎駅西口のラゾーナ周辺やJR南武線の矢向駅周辺まで含めると、駅ごとに保活の風景がかなり異なるのが幸区の特徴です。
川崎市の保活全体の構造、A〜Hのランク制のしくみ、父母の低いほうのランクが世帯ランクになるルール、調整指数と調整項目による同ランク内の順位決め、「A-6」が当落ラインの目安とされること、育休延長を許容する場合の取り扱いについては 川崎市の保育園空き状況|7区全体をやさしく整理 で詳しく扱っています。この記事では、幸区にしぼった空き状況と、エリアごとの傾向を見ていきます。
この記事でわかること
- 幸区が川崎市7区のなかで1歳児の申請集中が特に激しい区であること
- 令和8年6月利用調整の申請数と内定数から見る、新川崎・鹿島田エリアの「入りにくさ」
- 幸区の代表20園の6月申請数を年齢別に比較できる早見表
- 新川崎・鹿島田、川崎駅西口(ラゾーナ周辺)、矢向の3エリアごとの園の出方
- 令和8年4月入所の内定下限ランクから、どの園・どの年齢で「A-7以上」が求められたかの傾向
- 小規模保育事業所を含めた選択肢の広げ方
データの出典と注意点
本記事の数値は、川崎市公式「令和8年6月 保育所等利用申請・利用調整結果状況(幸区)」(令和8年5月8日締切分)、「令和8年4月 保育所等の利用調整結果(内定下限ランク等)(幸区)」を出典としています。
申請数は延べ申請数、内定数は新規の入所予定者数です。利用調整の状況は年度や入所月により異なります。最終確認は幸区役所児童家庭課または最新の公開資料でお願いします。
幸区はどんな区? 保活の前提条件
幸区は、川崎市の南東部に位置する区です。JR南武線と横須賀線・湘南新宿ラインが交差する新川崎駅、JR南武線の鹿島田駅・矢向駅、そしてJR京浜東北線・東海道線の川崎駅の西口側を含み、複数の鉄道路線が区内を走っています。
この区の保活を理解するうえで外せないのが、新川崎・鹿島田エリアの再開発です。新川崎スクエアやサウザンドシティなど大規模マンション群が整備され、品川・東京方面へのアクセスの良さから共働きのファミリー世帯が集中的に流入しました。川崎駅西口のラゾーナ川崎周辺も商業・住宅の複合開発が進んでおり、幸区全体としてファミリー層の厚みが増し続けています。
その結果、幸区は川崎市7区のなかで1歳児の申請集中が特に激しい区となっています。6月利用調整で1歳児に20人以上が申し込んで内定ゼロという園が複数あり、新川崎・鹿島田エリアの競争は中原区の武蔵小杉に匹敵する水準です。
3つのエリアの顔
幸区の認可保育所等は、川崎市の公開資料で細かいエリアに分類されていますが、本記事では新川崎・鹿島田、川崎駅西口(ラゾーナ周辺)、矢向の3エリアに大きくまとめて見ていきます。
新川崎・鹿島田エリアは、新川崎駅・鹿島田駅を核に北加瀬・小倉・南加瀬まで広がる区内最大のエリアです。再開発マンション群を背景にファミリー世帯が密集しており、1歳児の申請数が区内で突出しています。定員100〜200人規模の大型園が複数ありますが、それでも1歳枠はほぼ全園で埋まっている状況です。
川崎駅西口(ラゾーナ周辺)エリアは、川崎駅西口から尻手駅・神明町・河原町・戸手にかけて広がるエリアです。ラゾーナ川崎の商圏に近く、通勤利便性の高さから30人〜60人定員の園が集中しています。メリーポピンズ川崎西口ルームやアスク川崎西口保育園など、0歳・1歳の申請が集中する園がある一方、河原町保育園やかわの風保育園のように比較的余裕がある園も見られます。
矢向エリアは、JR南武線の矢向駅を中心に塚越・古市場にかけて広がるエリアです。らいらっくみゆき保育園やにじいろ保育園塚越など定員90〜120人の大型園があり、1歳児の申請数は多いものの、0歳児については内定が出るケースもあります。新川崎・鹿島田エリアからの「広域希望」の受け皿としても機能しています。
6月利用調整の数字で見る「1歳の壁」
川崎市は、園ごと・年齢クラスごとの申請数(=何人が申し込んだか)と内定数(=何人が入れたか)を毎月公開しています。ここでは令和8年6月利用調整(5月8日締切分)のデータから、幸区の1歳の壁がどれだけ厚いか、数字で見ていきます。
結論から言えば、1歳児は区内ほぼ全域で申請が殺到し、内定はほとんど出ていません。
もっとも強烈なのが小倉はなかご保育園(小倉エリア・定員60人)で、1歳児に23人が申し込んで内定ゼロです。同じ小倉エリアのまなびの森保育園矢向も1歳児19人申請で内定ゼロ。新川崎駅前の小学館アカデミーしんかわさき保育園(定員90人)は0歳児15人・1歳児20人という凄まじい数字で、いずれも内定ゼロです。
北加瀬エリアでも構図は変わりません。どりーむ保育園(定員120人)は1歳児18人申請で内定ゼロ。新川崎みらいのそら保育園は13人、第2ひまわりほいくえんは12人で、いずれも1歳児の内定はゼロです。
矢向エリアも例外ではありません。らいらっく幸保育園は1歳児15人申請で内定ゼロ、らいらっくみゆき保育園は14人、にじいろ保育園塚越は13人で、同じく内定ゼロが続きます。
川崎駅西口エリアでは、メリーポピンズ川崎西口ルームが0歳児16人・1歳児12人という申請集中を見せていますが、こちらも内定はゼロです。アスク川崎西口保育園も1歳児13人で内定ゼロ。一方で河原町保育園(定員195人)は1歳児の申請が2人にとどまっており、臨海部に近い河原町は比較的穴場の可能性があります。
0歳児はやや事情が異なります。YMCAかわさき保育園(川崎駅)は0歳児4人申請で2人が内定。Nest 鹿島田保育園(下平間)は3人申請で1人内定。にじいろ保育園北加瀬も4人申請で1人内定しており、0歳であれば内定が出ている園があるのが6月利用調整の現実です。0歳からの入園を決断できれば、選択肢はぐっと広がります。
6月利用調整の数字は「年度途中」の実態です
令和8年6月利用調整は、5月8日締切で申し込んだ方の結果です。4月一斉入所が終わったあとの年度途中入園のため、受入枠自体がごくわずかです。申請数が10人を超えていても、そもそも空きが0〜1人という園が大半です。「23人申請で0人内定」は、応募者が悪いのではなく、枠がないのです。
代表20園の6月申請数 早見表
幸区の3エリアから、1歳児の申請が集中している園とエリアの特徴を映す園を中心に、編集部で20園を抜き出しました。数字は令和8年6月利用調整(令和8年5月8日締切分)の延べ申請数です。保活の主戦場である0歳・1歳の列を強調しています。
表の見方
数字は「何人がその園のそのクラスを希望して申し込んだか」を示す延べ申請数です。数字が大きいほど希望が集中していることを意味します。「―」は該当年齢クラスの設定がない園です。0歳・1歳の列は色付きで強調しています。施設種別は 保=認可保育所、こ=認定こども園。
※表は横にスクロールして確認できます。
出典:川崎市「令和8年6月 保育所等利用申請・利用調整結果状況(幸区)」(令和8年5月8日締切分)をもとにPULMO編集部が作成
表を見ると、1歳児の列がほぼ二桁で埋まっているのがわかります。小倉はなかご保育園の23人を筆頭に、10人以上が申し込んでいる園が16園にのぼります。一方で0歳児も5人以上が申し込んでいる園が多数あり、0歳入園であっても安心はできない状況です。
エリアごとの園と空き状況
ここからは、幸区を3つのエリアに分け、代表的な園の6月利用調整の申請状況をエリアごとの表で見ていきます。数字は令和8年6月利用調整の延べ申請数で、左から 0歳/1歳/2歳/3歳/4歳/5歳 の年齢クラス順です。「―」はクラス設定なし。保活の主戦場である0歳・1歳の列は色付き・赤字で強調しています。
新川崎・鹿島田
幸区最大のエリアです。新川崎駅・鹿島田駅周辺の再開発マンション群を核に、北加瀬・小倉・南加瀬と住宅地が広がっています。幸区全体の保育需要の過半を占めるエリアで、1歳児の申請集中がもっとも激しいのがこの一帯です。
特に小倉エリアの小倉はなかご保育園(1歳23人)、まなびの森保育園矢向(1歳19人)、和ごころ小倉保育園(1歳11人)、和ごころ小倉第二保育園(1歳11人)と、定員60人クラスの園に10人以上の1歳児が殺到しています。北加瀬エリアでもどりーむ保育園(1歳18人)、新川崎みらいのそら保育園(1歳13人)、第2ひまわりほいくえん(1歳12人)と同様の状況です。
南加瀬エリアのみなみかせ保育園(1歳16人)、夢見ヶ崎保育園(1歳14人)も高い申請数を記録しています。ただし0歳児については、ひよし保育園が3人申請で2人内定、にじいろ保育園北加瀬が4人申請で1人内定など、0歳であれば内定が出ている園もあります。
川崎駅西口(ラゾーナ周辺)
川崎駅の西口側から南幸町・大宮町・幸町を中心に、尻手駅・河原町・戸手・神明町まで広がるエリアです。ラゾーナ川崎の商圏と重なり、通勤の利便性から30人定員の小〜中規模園が密集しています。
このエリアで目立つのはメリーポピンズ川崎西口ルームです。0歳児16人・1歳児12人という申請集中は川崎駅西口エリアで最大で、内定はゼロ。アスク川崎西口保育園も0歳児9人・1歳児13人で同じく全員保留です。
一方で、河原町保育園(定員195人)は0歳児1人・1歳児2人と申請が少なく、かわの風保育園(戸手、定員120人)も0歳児1人・1歳児0人。臨海部に近いこれらの園は、駅前エリアほどの激戦にはなっていません。「川崎駅」「尻手駅」にこだわらず河原町・戸手方面まで視野を広げると、選択肢が見えてきます。
矢向
JR南武線の矢向駅を中心に、塚越・古市場にかけて広がるエリアです。横浜市鶴見区との市境に位置し、「らいらっく」系列の園が複数ある地域でもあります。
矢向エリアも1歳児の競争は厳しく、らいらっく幸保育園は1歳児15人申請、らいらっくみゆき保育園は14人、にじいろ保育園塚越は13人で、いずれも内定ゼロです。新川崎・鹿島田エリアからの広域希望が矢向にも流れ込んでいるものと見られます。
4月入所のボーダーラインはどこだったか
ここまでは6月利用調整のデータで「いまの競争状況」を見てきました。次は、もっとも多くの内定が出る4月一斉入所のボーダーを確認します。川崎市は「内定下限ランク等」——内定者のうちもっともランク等が低かった方の情報——を園ごと・年齢ごとに公開しています。
令和8年4月入所のデータから、幸区の1歳児で見えてくるのは「ほぼA-6-2がライン」という現実です。
新川崎・鹿島田エリアでは、小学館アカデミーしんかわさき保育園が1歳A-6-2、にじいろ保育園鹿島田駅前もA-6-2、かしまだ保育園(定員204人)もA-6-2。いずれもA-6-2が下限であり、これを下回ると保留です。
さらに厳しいのがどりーむ東小倉保育園で、1歳児のボーダーが「A-7以上」——つまりA-6-2よりさらに高いランク・指数がなければ入れなかったことを意味します。アスク川崎西口保育園やひよし保育園も1歳児はA-7以上です。
異例なのがSPACE KID保育園(鹿島田駅、定員80人)で、1歳児の下限がA-3-2。調整指数3は、ひとり親世帯や特別な加点がある方でなければ到達しにくい水準であり、一般的な共働き世帯(A-6前後)では厳しい園と言えます。
0歳児は1歳児ほど厳しくない園もあります。河原町保育園は0歳で「受入枠内」(=申込者全員が内定)、かわの風保育園(戸手)は0歳でB-6-1と、Aランクでなくても入れています。川崎駅西口エリアでも保育園アレッタやかわさき大宮町保育園、ドリームマーチ保育園が0歳「受入枠内」です。0歳入園は依然として有力な選択肢です。
ボーダーは「過去実績」であり「保証」ではありません
内定下限ランク等は令和8年4月入所の一次利用調整の結果であり、毎年の受入人数・申込状況で変動します。「A-6-2」がボーダーだった園でも、翌年は「A-7以上」になる可能性があります。あくまで戦略を立てるうえでの参考情報としてお使いください。
小規模保育事業所という選択肢
幸区には、0〜2歳児を対象とした小規模保育事業所が複数あります。エンジェルナーサリー鹿島田園(小A・定員19人)、優祥会かしまだえきまえ保育園(小A・定員19人)、ピュアリー鹿島田保育園(小A・定員12人)、保育Roomことり(小A・定員15人)、ぶれあ保育園・川崎南幸町(小A・定員12人)など、認可保育所で枠がなくても小規模なら入れる場合があります。
4月入所のボーダーを見ると、エンジェルナーサリー鹿島田園は0歳「受入枠内」・1歳A-6-2、優祥会かしまだえきまえ保育園は0歳「受入枠内」・1歳A-6-2と、0歳であれば希望者全員が入所できている園もあります。
小規模保育事業所は3歳で卒園する点が保護者にとっての不安材料ですが、川崎市では地域型保育事業の卒園児に対して優先利用調整が行われます。連携施設がある場合は、その施設への優先入所が図られる仕組みです。3歳の壁を越えるルートとして、小規模保育は幸区でも十分使える選択肢です。
公式情報・問い合わせ先
幸区の保育所等の利用申込みは、幸区役所児童家庭課が窓口です(幸区戸手本町1-11-1 幸区役所3階)。川崎市は希望施設を最大20か所まで記載できるため、新川崎・鹿島田エリアだけでなく、川崎駅西口・矢向エリアの園まで幅広く書くことが、内定確率を上げるうえで重要です。
年度途中の入園は前月10日が申込締切です(土日祝等の場合は前開庁日)。毎月の受入可能児童数と利用調整結果は幸区役所のホームページで公開されています。
本記事は、以下の川崎市・幸区公式情報を出典としています。最新の状況は必ず公式ページでご確認ください。
- 川崎市幸区役所(児童家庭課)
- 認可保育所等の受入可能数及び利用調整結果(川崎市こども未来局)
- 保育所等の申込み手続き(川崎市こども未来局)
川崎市全体の保活の構造、A〜Hのランク制のしくみ、調整指数の配点、保育料、子育て支援制度については以下の記事でも詳しく扱っています。あわせてご覧ください。